2歳馬の中距離戦線チャンピオンを決めるホープフルステークスは、来年GI化の動きがあり、年内最後のGIとして平日開催になる見込みだ。数々の名馬を世に送り出した調教師・角居勝彦氏による週刊ポストでの連載「競馬はもっともっと面白い 感性の法則」から、平日開催のGIについて、思うところをお届けする。
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2歳馬の中距離戦線チャンピオンを決め、来年にもつながる重要な位置づけですが、いささかややこしいところもあります。
「ラジオNIKKEI杯2歳S」(GII)といわれていたこのレースは、かつて阪神競馬場で行なわれていました。GIである朝日杯フューチュリティSが中山のマイル戦だったこともあり、クラシックを狙う関西馬が挑んできたレースです。これが2014年からホープフルSになり、舞台も阪神から中山へ。その際、もともとは有馬記念当日に行なわれていた2歳オープンの名称を冠したわけです。
前身の阪神開催のときには、そうそうたるメンバーが勝っています。タヤスツヨシ、アドマイヤベガ、ロジユニヴァース、角居厩舎では2009年のヴィクトワールピサ。数多くの名馬を輩出しています。
中山に移ってからはまだ2年ですが、どうしてもオープン特別という印象が拭えません。この時期、関西の陣営からすれば、中山の馬場が悪くなっていく時期に出かけたくはない。
とはいえ中山の2歳オープン時代、角居厩舎はエキゾーストノート(2004年、安藤勝己騎乗)で勝っています。デビューから2戦乗ってもらった鞍上を確保できたこともあって東のオープンを使ったのですが、その後はクラシック戦線には乗れず、最後は障害に転向。ホープフルSが平地での最後の勝利でした。
この年のラジオたんぱ杯覇者はヴァーミリアン。クラシック戦線では結果を出せませんでしたが、ダートに戦場を移してからはJCダート、フェブラリーSを制覇、地方交流も含めてGI9勝という素晴らしい成績を残しました。開業間もない角居厩舎としては、この段階で強い馬にぶつけたくはなかったというのがありました(ちなみにこの世代のクラシックはディープインパクトが3冠を制覇したが、2004年12月19日に新馬を勝ったばかり)。