コラムニストでデイトレーダーの木村和久氏が、近頃気になるニュースをピックアップし独自の視点で読み解きます。今回はNHK連続テレビ小説『べっぴんさん』に言及。
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人気ドラマ「地味スゴ」&「逃げ恥」&「真田丸」ロスの昨今、ほかに見るものがないので、NHKの朝ドラ『べっぴんさん』をよく見ております。ご存じのように、「ファミリア」という子供服メーカーの創業物語で、4人のお嬢さんたちが小さなお店を開き、それが全国的に知られる有名企業となるお話です。ドラマでは、「ファミリア」を「キアリス」というブランド名にして、大急百貨店に出店する展開となっています。大急は関西の名門、阪急百貨店のことで、「うちは大急ですから~」というのがお約束の言葉となっていて、毎回けっこう笑えます。
『べっぴんさん』は、始まりのころはほかのドラマにうつつを抜かし、熱心ではありませんでした。べっぴんさんの視聴率は、私がさぼっていたからか、開始当初はやや低空飛行でした。しかし、今は20%ちょっとで安定しています。
最近の朝ドラの傾向として、近代以降を描いたドラマは大崩れしないようですね。昭和初期あたりの近代から描くと、全世代から幅広く支持を受けられるから、みたいですけど。
実際、前回の『とと姉ちゃん』に『マッサン』や『あさが来た』など、近代ものは人気作品が多いですよね。もちろん現代劇の『まれ』や『あまちゃん』も話題となりましたが、視聴率的には近代がやや優位でしょうか。『てっぱん』とか『純と愛』みたいな賛否両論の作品もあり、現代劇は世界観をどう描くかが難しいようです。
近代を描いた全世代支持ドラマは、各世代で見どころが違うようです。それぞれのヒットポイントを探ってみましょう。
●戦争体験&焼け跡派はシニア層受け
朝ドラの基礎票というべき、毎回欠かさず見ているシニア層からは、戦後の混乱期を描くことで圧倒的支持を得ます。戦争の辛い体験を描くことは、社会的使命ですから。
●プロジェクトX風展開でオヤジ世代をわしづかみ