観客動員数150万人突破の人気イベント「夢コンサート」。年間140回以上行われるステージには、昭和のスターが次々に登場し、まさに“中高年のフェス”といった感じだ。その魅力を出演者である黒沢年雄さんに語ってもらいました!
【夢コンサートとは…】
1960年代~1970年代のヒット曲…だれもが口ずさめる曲をずらりと並べた、昭和の香りがたっぷりのコンサート。次から次へと登場するスターが、聴く人を若かったあの頃に引き戻してくれる楽しい空間だ。客層は50代以上の主婦層が多い。
平日の午後3時──。会場に足を踏み入れると、たった今、昼の部のフィナーレでお客さんに来場の謝意を伝えたばかりの歌い手たちが、小走りにロビーに駆け込んできた。
50代のおしゃれな女性。仲の良いグループだろうか、60代と思しき5人組の女性。70代のご夫婦…熱気で顔を上気させた人たちが、お気に入りの歌い手たちが迎えるブースに三重、四重の輪を作り、CD、オリジナルグッズに手を伸ばす。その光景は、AKB48やジャニーズのコンサートの会場と少しも変わらない。
「夢コンサートに来るとね、みんな若返って、青春時代に戻っちゃう。苦しいことも、悲しいことも、全部忘れて、みんな笑顔で帰ってくれるんだよね」
ありがとう、またね。ひとりひとりと握手をしながら、黒沢年雄が嬉しそうにつぶやいた。
「もともとはぼくの友人が、同窓会コンサートを立ち上げたのがスタートで。尾藤イサオさん、あべ静江さん、山本リンダさん、黛ジュンさん…とかとね。それが、夢グループ(註:夢コンサートの主催者)と一緒になったことで一気に大きくなって、全国をまわれるようになったんだよね」
蒔いた種が次々と芽を出し、花を咲かせた。
「小林旭さんを中心にした、夢コンサート。1960年~1970年代のヒット曲を集めた、同窓会コンサート。昭和歌謡の黄金期を築いた、夢をいつまでも。小林幸子さんのコンサート…いくつあるのかわかんないくらいですよ(苦笑)」
指を折りながら教えてくれた黒沢が、途中で教えるのをやめてしまうほど、企画も、コンサートも増えている。──その理由は?