正月の風物詩・箱根駅伝も間近に迫ってきたが、いかにして中継をより楽しむか。陸上長距離専門ウェブメディア「EKIDEN NEWS」の“博士”こと西本武史氏が解説する。西本氏とその相棒・“マニアさん”が同意したポイントがあるのだという。
* * *
10月中旬以降、週刊ポストで毎号、出場校選手の仕上がり具合などをレポートしてきた。それらを頭に入れつつ、箱根駅伝本番では出場選手以外のところにも目を向けてもらいたい。
全長217kmにわたるコースの各所では、数々のドラマが生まれてきた。伝説的な逆転劇もあれば、シード争い、繰り上げスタートを巡る悲劇もあった。2日間、約11時間の大会は、積み重ねられたエピソードや因縁、そして画面の端にしか映らない“名所”を知っておくともっと楽しくなる。
たとえば12月10日の箱根駅伝エントリー発表の日。スポーツ紙は一様に大学駅伝3冠・箱根3連覇のかかった王者・青学大の原晋・監督が作戦名を「サンキュー大作戦」と発表したことを大きく報じた。
敢えていおう、注目すべきはそこじゃない。私たちが沸き立ったのは合わせて発表された「ゲスト解説者」の布陣である。
●往路/村澤明伸(東海大OB、日清食品グループ)、神野大地(青学大OB、コニカミノルタ)
●復路/中村匠吾(駒澤大OB、富士通)、服部勇馬(東洋大OB、トヨタ自動車)
前回大会で青学、東洋のエースだった神野と服部は順当だが、「村澤」の名前を聞いて、私は震えた。
4年ぶりに村澤が箱根に帰ってくる──。