ライフ

93歳の外山滋比古氏 「年老いたら若い時より忙しくすべし」

外山滋比古氏が語る年老いてからの生き方

 長生きは本当に「めでたい」ことなのか。歳を重ねれば体の不調や気力の落ち込みを実感することも増える。

 211万部の大ベストセラー『思考の整理学』の著者、外山滋比古氏は93歳にしてなお走り続ける。取材時も自らホテルのラウンジ席を予約した上で、闊歩して現われた。外山氏は自らの“老い”とどう向き合い、折り合いをつけているのか──。

 * * *
 90歳になった時も自分では年齢を意識しませんでした。周りにうるさくいわれて、「90代っていうのは相当、年寄りなんだな」と初めて自覚させられました。

 強調したいのは、年老いたら、やることがなければダメということです。僕の先輩たちも仕事を辞めた途端に老け込んでいる。昔の人は「悠々自適」を勧めたけど、それではすぐボケてしまいます。高齢者に暇ができたら非常に危険です。

 大切なのは、新しい生き方を始めることです。それまでやってきた仕事や趣味の延長線ではなく、まったく新しい人生、それも職を変えるくらいでないとダメ。よく天下り先に再就職する役人がいますが、あれは最も愚かな行為です。多少の収入を得ても生きがいがなく、周囲も喜びませんから。

 僕は90歳になった翌年に本を10冊出版しました。70代後半からものを書こうと決めていて、80歳以後は少なくとも年に7、8冊出しています。若い頃より著作は増えています。

 その根底にあるのは、歳を取ったからこそ、若い時より忙しくする必要があるという考えです。

 自転車と同じです。「ゆっくり走る」ことはむしろ危ない。ノロノロ走るよりは、思い切ってスピードを出したほうが安定して転ばない。止まればバランスを崩して転倒するでしょう。

 なので、高齢者ほど年中無休で働かないといけません。サラリーマンみたいに週2日も休んでいたら、老化するばかりです。昔に比べて労働環境が改善され、働く時間は短縮されたけど、その分、人間の老化のスピードは進みました。仕事を辞めた途端、認知症になった英国のサッチャー元首相や米国のレーガン元大統領が典型的な例です。

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン
米国からエルサルバドルに送還されたベネズエラのギャング組織のメンバーら(AFP PHOTO / EL SALVADOR'S PRESIDENCY PRESS OFFICE)
“世界最恐の刑務所”に移送された“後ろ手拘束・丸刈り”の凶悪ギャング「刑務所を制圧しプールやナイトクラブを設営」した荒くれ者たち《エルサルバドル大統領の強権的な治安対策》
NEWSポストセブン
会見中、涙を拭う尼僧の叡敦(えいちょう)氏
【天台宗僧侶の性加害告発】フジテレビと同じ構造の問題ながら解決へ前進しない理由とは 被害女性への聞き取りも第三者の検証もなく、加害住職の「僧籍剥奪せず」を判断
NEWSポストセブン
沖縄・旭琉會の挨拶を受けた司忍組長
《雨に濡れた司忍組長》極秘外交に臨む六代目山口組 沖縄・旭琉會との会談で見せていた笑顔 分裂抗争は“風雲急を告げる”事態に
NEWSポストセブン
ゴールデンタイムでの地上波冠番組がスタートするSixTONES
ゴールデンタイムで冠番組スタートのSixTONES メンバー個々のキャラが確立、あらゆるジャンルで高評価…「国民的グループ」へと開花する春
女性セブン
中居正広氏とフジテレビ社屋(時事通信フォト)
【被害女性Aさん フジ問題で独占告白】「理不尽な思いをしている方がたくさん…」彼女はいま何を思い、何を求めるのか
週刊ポスト
食道がんであることを公表した石橋貴明、元妻の鈴木保奈美は沈黙を貫いている(左/Instagramより)
《食道がん公表のとんねるず・石橋貴明(63)》社長と所属女優として沈黙貫く元妻の鈴木保奈美との距離感、長女との確執乗り越え…「初孫抱いて見せていた笑顔」
NEWSポストセブン
生活を“ふつう”に送りたいだけなのに(写真/イメージマート)
【パニックで頬を何度も殴り…】発達障害の女子高生に「生徒や教員の安心が確保できない」と自主退学を勧告、《合理的配慮》の限界とは
NEWSポストセブン
5人での再始動にファンからは歓喜の声が上がった
《RIP SLYMEが5人で再始動》“雪解け”匂わすツーショット写真と、ファンを熱狂させた“フライング投稿”「ボタンのかけ違いがあった事に気付かされました」
NEWSポストセブン
中居正広の私服姿(2020年)
《白髪姿の中居正広氏》性暴力認定の直前に訪問していた一級建築士事務所が請け負う「オフィスビル内装設計」の引退後
NEWSポストセブン
これまで以上にすぐ球場を出るようになったという大谷翔平(写真/AFLO)
大谷翔平、“パパになる準備”は抜かりなし 産休制度を活用し真美子夫人の出産に立ち会いへ セレブ産院の育児講習会でおむつ替えや沐浴を猛特訓か
女性セブン
ネズミ混入トラブルを受けて24時間営業を取りやめに
《ゴキブリ・ネズミ問題で休業中》「すき家」24時間営業取りやめ 現役クルーが証言していた「こんなに汚かったのか」驚きの声
NEWSポストセブン