リオ五輪で大活躍した日本チーム。なかでも卓球は男女ともにメダルを獲得し、大きな注目を浴びた。さらに12月に行なわれた卓球世界ジュニア選手権で、日本が男女ともに世界一になったことは日本だけでなく、卓球の世界で絶対的な強さを誇る中国でも驚きをもって報じられた。卓球世界ジュニア選手権を現地で取材したライターの高樹ミナさんが、2020年東京五輪で中国を破り金メダルを獲る可能性について解説する。
* * *
◆顕著だった2016年のジュニア世代の活躍
2016年は卓球の当たり年だった。とりわけジュニア世代の活躍が目立ち、「みうみま」の愛称でおなじみの平野美宇(JOCエリートアカデミー)、伊藤美誠(スターツSC)の高校1年生コンビは脚光を浴びた。特に伊藤は2月の世界卓球選手権団体銀メダルに続き、15歳(現在16歳)にしてリオ五輪に出場。福原愛(ANA)、石川佳純(全農)とともに団体銅メダルを獲得し、一気にスター選手の仲間入りを果たした。
平野も控え選手に甘んじた悔しさをバネに、リオ五輪直後の10月には米フィラデルフィアのワールドカップで史上最年少優勝。世界王者の中国勢は出ていなかったものの、その他の強豪選手に勝った実績が高く評価された。その証拠に2016年シーズンに活躍が顕著だった選手に贈られるスター・アワードで平野は新人賞を受賞し、授賞式の会場となったカタール・ドーハから、真っ赤なドレスを着た愛らしい平野の晴れ姿が日本中に報じられた。
若い世代の活躍はこの二人だけにとどまらない。シーズンを締めくくるITTFワールドカップ・グランドファイナルでは、みうみまと同い年の早田ひな(希望が丘高校)が2つ年上の浜本由惟(JOCエリートアカデミー)とのダブルスで優勝。さらに、みうみまの1つ年上の加藤美優(吉祥寺卓球倶楽部)も年末の世界卓球代表選考会で優勝し、5月29日~6月5日に開催される「2017世界卓球選手権デュッセルドルフ大会(個人戦)」の出場権を一番乗りで手に入れた。
日本卓球界の黄金世代と呼ばれるこの年代はまさに群雄割拠。ちなみに男子でも弱冠13歳の張本智和(JOCエリートアカデミー)が昨年12月、南アフリカ・ケープタウンで開かれた世界ジュニア選手権シングルスで史上最年少優勝し、この大会で日本は男女団体でもアベック優勝を果たした。