ライフ

「血糖値スパイク」が突然死や認知症、がんを招くことも

突然死の原因にもなる「血糖値スパイク」とは?(写真/アフロ)

 ここ最近、話題となっている“血糖値スパイク”。これは、食後、血糖値が急上昇する状態をさすもので、血糖値の乱高下を繰り返すと、健康な人にも深刻な病が忍び寄るという。しかもそれは、通常の健康診断では発見されず、約1400万人が気づかぬうちに患っていると推定されているのだ(九州大学大学院と福岡・久山町が共同で同町40代以上の住人約8000人に糖負荷試験を行った最新データによる推計)。

 昨年の『NHKスペシャル』や『あさイチ』で取り上げられ、大きな反響を呼んだ“血糖値スパイク”。食後、一時的に高血糖へ急上昇し、すぐ正常値に戻るという乱高下を繰り返す現象が、実は突然死や認知症、がんなどを招くというのだ。

 そもそも、血糖値スパイクは、なぜ起きるのだろう。私たちの体は、食事で炭水化物を摂取すると、消化吸収されてブドウ糖に変わる。すると膵臓からインスリンが分泌され、血中のブドウ糖は肝臓や筋肉で取り込まれて利用されるので、本来は血糖値は140mg/dlを超えることはない。

 全身の臓器はエネルギー源としてブドウ糖を1日300~700gも消費している。その大半を食事からの炭水化物で補う必要がある。血糖値が高いということは、全身臓器でブドウ糖が利用できていないため、血管内にだぶついていることを示している。

 なぜ、このようなことが起こりはじめたのだろうか。順天堂大学名誉教授で糖尿病の専門医でもある河盛隆造さんは言う。

「流入したブドウ糖を肝臓が充分取り込めなかったことで、血糖値が上昇するのです。この血糖値の上昇は、過食や肥満による脂肪肝のために、インスリンの働きが低下して起こるのが一般的ですが、運動不足で筋量が少ないやせた人でも起こります。つまり、なんらかの異変が体内で起こっていることを示しているのです。その原因を推測して、すみやかに改善すべきです」(河盛さん。以下「」内同)

 血糖値異常が引き起こす疾病と聞くと、糖尿病を思い浮かべるが、この血糖値スパイクの危険性は、これまであまり知られていなかった。なぜなら、一般的な人間ドックなどの健康診断では、血糖値を測る場合、食後ではなく空腹時に計測する。そのため、血糖値が食後にスパイクしているという異常な状態にあるかがわからないのだ。

◆食後の過血糖は糖尿病と同じく動脈硬化を招く

 では、血糖値スパイクが起きると、なぜ危険なのか。

関連キーワード

関連記事

トピックス

天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン