日本を貶める、歪曲された歴史が世界中に拡散され続けている。昨年12月、ついに親日国・台湾でも慰安婦博物館が開館した。オープニングセレモニーとして企画されたシンポジウムには、各国の反日的な慰安婦運動家たちが結集。その現場に西谷格氏が潜入した。
* * *
12月だというのに、シャツ一枚で過ごせる心地よい気候。台北駅から20分ほど北に向かって歩くと薄茶色の古めかしい建物が見えてきた。12月10日に開館した、台湾初の慰安婦博物館「阿家(アマーの家=おばあちゃんの家)平和と女性人権館」だ。間口は5~6m程度と狭く、小ぢんまりとした印象だ。
開館翌日のこの日、「歴史から行動へ慰安婦博物館グローバルアクション、国際交流座談会」と題した記念シンポジウムが開かれ、台湾・韓国・中国・日本の4か国から、人権運動や慰安婦博物館の運営に携わる人々が一堂に会して、通訳を交えて報告を行うことになっていた。まさに“慰安婦サミット”である。
受付で氏名を伝え、イベント参加費200元(約700円)を払って施設内へ足を踏み入れた。
1階は洒落たカフェになっていて、その奥と2階部分が展示スペース。思ったより奥行きがあり、縦長の空間が広がっている。受付でもらったパンフレットによれば、建物は100年近く昔の日本統治時代に建てられたものだという。皮肉な因縁を感じつつ、2階の会場へと階段を上った。
シンポジウムが始まると、教室一つ分ほどのイベントスペースに50人近い来場者が集まった。大半が女性で、日本人男性の私はいわば“加害者”の末裔。何とも言えない気まずさに、背中がむずがゆくなる。