二刀流として躍動した大谷翔平が日本ハムを日本一へと導き、セリーグでは広島が25年ぶりのリーグ優勝に沸いた2016年のプロ野球。2017年のペナントレースはどうなるのか、どこよりも早く順位予測。巨人での現役時代に首位打者2回、ベストナイン5回を誇り、引退後は一軍打撃コーチなどを歴任した篠塚和典氏は、戦力の充実した古巣の優勝を予想しながらも、その死角は「ダイヤモンドの要」にあると指摘した。
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今オフの巨人の補強は、ポイントがズレているように思えますね。今の巨人の最大の弱点は、どう見てもキャッチャーです。阿部慎之助(37)のファースト専任が宣言された以上、正捕手として誰をどう育てるか。それこそがチームの最大の課題だったはずです。
マスクをかぶる機会がさらに増えるであろう小林誠司(27)が投手陣からの信頼を得ているかといえば、まだまだでしょう。阿部が一緒に自主トレして色々と教え込むそうですが、キャンプ中にピッチャー全員の球種、性格、クセまですべてを把握するぐらいのやる気が本人にないとダメだろうね。
小林を見ていると、チーム内に自分のポジションを脅かす存在がないからか、どうも尻に火がついていないような印象が強い。だからこそ、たとえばバッティングがいい捕手を“小林のライバル”として補強するだけでも、だいぶ違っていたと思いますよ。
当然ながらシーズンが終わってみないと補強の本当の評価はできないが、同じ補強をするにしても、生え抜きを育てるための補強をしないといけないんです。センターに陽岱鋼(29)が入って、単に生え抜きの出場機会が奪われるだけでは、ファンも喜ばないでしょう。
ただ、それでも現時点の戦力で順位を予想しろといわれれば、優勝は巨人でしょう。他球団よりも戦力が充実しているのは確かです。
巨人に迫れそうなのは若い選手たちが優勝で自信をつけた広島ぐらい。主砲・エルドレッド(36)がきちんと働けば、守備は“鉄壁”ともいえるメンバーが揃っているので上が狙える。