年を重ねることについて語る真矢ミキ
元・宝塚歌劇団花組トップスターで、1998年に同劇団を退団後は、女優として活躍している真矢ミキさん(52才)。間もなく、53才の誕生日を迎えるタイミングで、改めて50代という年代についての思いを教えてくれた。
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1月31日生まれの私は、現代の数え方でまもなく53才になります。10年くらい前までは、「ああ、またひとつ年を重ねるのね…」としみじみ一年を思いおこしながら、愛おしみながらお別れもしたのですが、ここ数年はそれほどの感慨もなくサラッとこの日を迎えるようになって参りました。慣れたものよ、来るなら来いって(メンタルメンタル)。
ところが昨年、立て続けに『50代』について衝撃的な出来事が。親戚が集まる機会があり、その中のお1人が、私の高祖母の時代の集合写真を持ってきてくださいました。まだ日本髪を結っているかたがいたりする、おそらくは明治時代の!
写真をひっくり返すとそれぞれの年齢が記してあるのですが、明らかにこの“おばあさん”に見える女性がなんと53才‼と記してあった。
そんな頃、『サンセット大通り』というミュージカル作品を見に行きました。
ご覧になったことがあるかたもいらっしゃると思いますが、ノーマという、かつてのハリウッド大女優のその後のお話。もう女優としての仕事のオファーはほとんどないのだけれど、豪邸でずっと女優然と執事を雇い暮らしているんですね。
その生活は一見哀れに痛々しく見えますが…彼女の心は1mmのブレもなくどこまでも女優として美しく誇り高いのです(いつか私も演じてみたいと思っているのですが…)。ストーリーは中略しますが、ノーマはそんなプライドを保ちながら、1人の若き脚本家に恋をするのです。自分の作品をいつか書きなさいと…。
女として彼を求めているのか、女優として脚本家を求める恋なのか、もはや彼女には関係ない。そんな女優という脚光を浴びた職の中毒性を見せつけられる1幕ラストのクライマックス…大女優ではなく、ノーマが純粋に少女のように彼を求めている姿に私は感動で胸が締めつけられていた…その時!? その若き脚本家が彼女に向かって言い放ったのです。
「50才であることは悲劇ではない!! 25で生きようとするから悲劇なんだ…」