放送3か月目に入った芳根京子(19才)主演のNHK連続テレビ小説『べっぴんさん』。直近の第14週は視聴率21.4%を記録し、第3週から14週連続で視聴率20%の大台を突破した。朝ドラは20%台を超えれば、制作側にとって“合格点”とされ、多くの視聴者が見ているはず、である。
ところが、いまいち、『べっぴんさん』に盛り上がりを感じられないのも事実だ。『あさが来た』や『とと姉ちゃん』のように、放送後、SNS上で関連ワードのランキングが急上昇することもなければ、週刊誌などで特集を組まれることも明らかに少ない。いったいなぜか? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。
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『べっぴんさん』は、年末年始の中断をはさんだ1月4日からの放送も視聴率20%台をキープしていますが、『あさが来た』『とと姉ちゃん』の前2作と比べると、それほど話題になっていません。
11日の放送から舞台を『キアリス』10周年の昭和34年に移し、成長した坂東さくら(井頭愛海)、村田健太郎(古川雄輝)、小澤龍一(森永悠希)に加え、初登場の河合二郎(林遣都)と山本五月(久保田紗友)らの新キャストを投入しましたが、その状況は変わりませんでした。なぜなのでしょうか?
最大の理由は、「ネットメディアが採り上げ、視聴者がSNSに書き込みたくなるトピックスがない」こと。ヒロインの坂東すみれ(芳根京子)は、言いたいことをなかなか口に出せない控えめなキャラクターであり、『あさが来た』の白岡あさ(波瑠)や、『とと姉ちゃん』の小橋常子(高畑充希)と比べれば、その地味さは一目瞭然です。芳根さんは持ち味である感受性の豊かさを生かして、思いを絞り出すような熱演を見せていますが、現代の視聴者には伝わりにくいキャラクターの分、損をしている気がします。