経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になった著名人をピックアップ。記者会見などでの表情や仕草から、その人物の深層心理を推察する「今週の顔」。今回は、一躍、時の人となった星野源の不思議なモテ力を分析。
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なぜか星野源がキテいる。『逃げるが恥だが役に立つ』(TBS系ドラマ、以下『逃げ恥』)で大ブレークし、ドラマ主題歌で星野の楽曲である「恋」が、今春の第89回選抜高等学校野球大会」の入場行進曲にも決定した。
エンディングで踊られた“恋ダンス”がブームとなった『逃げ恥』。脚本や演出がとてもうまく、自分に正直に明るく前向きに生きる主人公・森山みくりに新垣結衣がぴったりハマって、文句なくかわいかった。
ガッキーのかわいさをさらに引き立てたのが、主人公・津崎平匡を演じた星野源。草食系男子で童貞キャラの平匡の誠実さや純粋さ、不器用さからくる愛おしさに星野がぴたりとハマった。
星野源の人気は急上昇中。とはいえ、イマイチ、なぜそこまでモテるのかわからない、という声も聞こえてくる。多芸多才ではあるけれど、イケメンといえるほど美男子でもなければ、スタイルがいいわけでも、鍛え抜いた筋肉質な身体や男っぽい色気があるわけでもない。
ということで、その理由を考えてみた。
シンガーソングライターとしての星野は、ネアカと自分で言うほど明るく活動的。話すエピソードは面白いし、下ネタも平気で口にすれば、噂になった歌手や女優もいて、草食系男子とはほど遠い。
しかし俳優としての星野は、決してキャラが濃い方はない。昨年のNHK大河ドラマ『真田丸』での徳川秀忠役は、他の俳優たちの印象が強すぎたせいもあり影が薄かった。他のドラマでも役柄のせいもあるが、無表情、地味で目立たず、陰気な印象が強い。今回は、星野のこんな印象と平匡の恋愛に臆病で、消極的、おとなしい役柄がうまくかみ合ったのだろう。
星野には、女子に嫌がられたり、遠ざけられたりする要素が少ない。イケメンではないけれど親近感のある顔立ちは優しく、どちらかといえばベビーフェイス。きつさや強さを感じさせる顔ではないし、大きな口で笑うと、子供っぽくて無邪気でストレートにかわいい。
星野の声は男っぽいというより少年っぽさが残る。弾むような楽しげな声、優しいけれど、どこかワクワク感がある声だ。ジャストフィットでシンプルなファッションはセンスがよく、危険な香りこそしないが清潔感もある。
ガッキーと並んでも同じぐらいの身長は、平匡役の星野にはプラスにこそなれ、マイナス要素にはならない。小柄だと相手に圧力を与えないし、1対1のコミュニケーションでは同じ目の高さになり、見下ろされる感がなく、フランクに話ができる。男性が思っているほど、女性は身長に対して重要性を感じていないのだ。
小柄でかわいく少年っぽさが残る星野は、母性本能をくすぐるというか、ついお節介を焼きたくなるタイプなのかもしれない。