国内

飲食店の禁煙案に石破茂氏「みんなやめちゃえは知恵がない」

受動喫煙防止の規制強化には慎重論も根強い(石破茂衆院議員)

 厚生労働省が「罰則付き」の規制強化を進めようとしている受動喫煙防止対策。非喫煙者が他人のたばこの煙を吸い込んでしまう機会をなくそうと、学校や病院など公的施設内は全面禁煙。そして飲食店やホテルなどのサービス業にも、喫煙専用ルームの設置以外は禁煙を義務付けるというものだ。

 違反した場合には、施設管理者だけでなく喫煙者本人にも罰則を科すという案が「たたき台」として昨年持ち上がったのだが、これに「選択の余地がない一律規制には断固反対!」と業界団体が決起した。

 1月12日に開かれた《受動喫煙防止強化に対する緊急集会》。大小さまざまな飲食店やホテルが属する業界団体のほか、理容・美容・興行・公衆浴場など16業種が連携した団体の代表が、政府に見直しを求める意見を表明。

「分煙先進国ニッポンとして進めていかなくては。“1億総活躍”とうたっていて、廃業に追い込まれるような人たちを増やすのはどうなのか」(大森利夫・全国生活衛生同業組合中央会理事長)という声を皮切りに、「細かいところまで配慮した法体系を」と訴えた。

「飲食店によっては、お客様の大半が喫煙者ということも少なくない。業界としても分煙の徹底やステッカーを店頭に貼るなどさまざまな受動喫煙防止対策を講じてきた。日本人は多様性を重んじる国民性を持っている。これまでの取り組みを徹底することにより、たばこを吸う方も吸わない方にも十二分にご理解いただいているものと思っている」(森川進・全国飲食業生活衛生同業組合連合会会長)

「公共施設と、自分の嗜好に合わせた施設を選択することができる飲食店に、同質性の高い規制をかけるのは相応しくない。全部禁煙にしてしまえばいいという乱暴な意見もあるが、日本は分煙が進んでいる国。各店舗がお客様のニーズや提供するサービスを考えた結果、自律的に生まれてきたのが分煙スタイル。これをもっと進めていくことが日本において必要なアプローチではないか」(菊地唯夫・日本フードサービス協会会長)

 各団体の代表が共通して口にしたのが、「多様性」だ。もちろん、喫煙ルームの設置には、店の規模によってスペースの確保や導入費用の負担など現実的に困難なところも多い。だが、それ以前に、喫煙環境を含めた店側のサービススタイルと客の嗜好性によって成り立ってきた飲食業界の多様性、いってみれば魅力が今回の規制案によって失われてしまうとの危機感が強い。

 そうした懸念は、新たな法案づくりを審議する立場の国会議員も持っている。昨年12月に行われた自民党の厚生労働部会では、「嗜好品にそこまで規制をかけるのはどうか」と、法案化に慎重な姿勢を見せる議員が相次いだという。

関連キーワード

関連記事

トピックス

歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン