近年、「下半身専門」のパワースポット巡りが流行っているのをご存じだろうか。人呼んで「足腰の神様」。腰痛やヒザの痛みに悩まされる老若男女が頼りにする神社や寺が、全国に数多く存在するのだ。果たしてその御利益やいかに──。
お堂の軒下にズラリと吊り下げられた白いギプスの数々──なんとも不思議な光景が参拝客を出迎えるのは、大分県豊後高田市にある椿堂という弘法大師ゆかりの寺院だ。
「椿堂には、健脚だった弘法大師が椿の錫杖で突いて湧き出させたという霊水があり、全国から足腰のけがや病の治癒を祈願する参拝客が大勢訪れます。
ギプスのほか、たくさんの松葉杖なども奉納されています。日本には古来、病気は神仏に祈願して治してもらうという風習があります。最近では特定の御利益のある寺社に注目が集まり、とくに“足腰にいい”といわれる場所が人気を集めている」
そう話すのは、全国3000か所以上の神社仏閣を巡ってきた、神社仏閣専門家の坂原弘康氏である。