2019年1月1日に「徳仁天皇」と「雅子皇后」が誕生し、新たな元号に切り替えることを政府が検討中だということが報じられた。元日の即位は難しいのではないかなど様々な議論がされているが、2018年に平成は終わるのではないかという予測もなされている。
そこで、天皇の即位とはどういうものか、振り返ってみよう。即位にまつわるさまざまな儀式をまとめて『即位の礼』という。特に『即位礼正殿の儀』は各国から元首や国賓が集まる華やかな催しだ。
現天皇の即位の礼が行われたのは、昭和天皇の喪が明けた平成2年(1990年)の11月12日。そのときには、150を超える国から元首や要人が集まり、その中にはイギリスのチャールズ皇太子と故ダイアナ元妃や、日本の皇室と馴染みの深いフィリピンの故アキノ元大統領などの姿もあった。
「アメリカからは、当時の副大統領が参列しましたが、今回の御代がわり(皇位継承のこと)はこのままいけばトランプ大統領が在任中に行われます。過激な日本批判をするトランプ大統領ですが、かなりの目立ちたがり屋です。“これ以上の国際的イベントはない”と日本に乗り込んでくることもあるかもしれません」(政治記者)
即位礼正殿の儀の当日には、『祝賀御列の儀』も行われる。前回は燕尾服とローブデコルテにそれぞれ身を包まれた現天皇と美智子さまが、オープンカーでパレードされた。
「11万7000人が集まった4.7kmの道のりを、時速10kmでゆっくりと進まれました。通られたルートは、ご成婚パレードと同じでした。皇太子さまと雅子さまのご成婚パレードに集まった人数は、19万2000人。直前まで降っていた雨が結婚を祝うように上がったという逸話もあるほどで、それ以上の祝福に包まれることでしょう」(皇室記者)
皇室ジャーナリストの山下晋司氏はこう話す。
「即位の礼は、その後に控える『大嘗祭』という儀式との関係上、前例通り11月に行われました。ですが、実際にはその時点で即位から1年半以上経過していたわけです。それは昭和天皇の喪が明けてから行われる儀式だったため。今回はそもそも喪が存在しませんから、世間も祝賀ムード一色になるでしょう。例えば、即位の礼から祝賀御列の儀(パレード)を切り離し、2019年元日に即位されてからすぐにパレードを行ってもいいと思います」