岡副は「黒い桐谷美玲」と言われ、尋常ではない色黒のスポーツウーマンで通っている。同事務所の先輩たちと同じく『めざましテレビ』(フジテレビ系)や関連番組のレギュラーとして有名だが、最初から「他局に出てもいい」と許可されていた。つまり、セント・フォースとしてもフジテレビとしても主流派とみなされていなかったのだろう。
結果、他局のバラエティーからも引っ張りだことなり、「2016年年間タレント番組出演本数ランキング」(二ホンモニター調べ)の「女性トップ10」で、岡副は、帯番組の『あさチャン』(TBS系)や週イチの『真相報道バンキシャ!』(日本テレビ系)レギュラーの夏目三久より上位の5位にランクイン。“女子アナ”としてはトップの339本だった。
そして柴田阿弥は、SKE48出身という異色の経歴をもつ、“女子アナ”である。アイドル時代から「マルチタレント」「リポーター」を目指していた彼女。新年からは『ウイニング競馬』(テレビ東京・BSジャパン)のMCをつとめたり、単発でバラエティー番組のヒナ壇に座ったりすることもある。
見た目は石原さとみ似の美形ながら、やる気と若さで、やはりバラエティーから声がかかりやすい“女子アナ”となりつつある。
実は件の『〜さんま御殿!!』には、同事務所所属の新井恵理那も出演していた。現在、『グッド!モーニング』(テレビ朝日系)に出演し、“縛り”もない彼女は、得意の弓道で『炎の体育会TV』(TBS系)に出演したり、ヒナ壇番組にも出たりしているため、岡副麻紀が5位だった番組出演本数ランキングの9位に313本でランクインしている。
だが本人は「美人」を売りにできるほどキレイだとは思っていないと言い、『〜御殿!!』で言うところの“醜女(しこめ)軍団”から総ツッコミを受けていた。
が、その軍団に気の利いた返しや神田愛花のような天然で失礼なツッコミができるワケでもない新井。“美人女子アナ”と括られることへの限界を彼女が感じていることを理解した瞬間だった。
思えば、日本テレビでは“ぽっちゃり”で“ぶっちゃけ”な水ト麻美アナが。フジテレビでは入社時からずっと“ボケ担当”の山崎夕貴アナがトップの人気を誇っているいま。局アナでさえ、バラエティーで通用するキャラクターを持ちうる人たちにニーズも人気も集中しているのが現状だ。
先日、フジテレビのメイク室で会った山崎アナは「今年はもう30ですよ。これでいいんですかねぇ、私」と苦笑していた。「でも、いま、他に居ないよね」と私が言うと、「そうなんですよ、後輩にはそういうタイプが居ないので」と言い、『ノンストップ』のスタンバイ時間の頃には既に開き直った顔をしていた。
かつての木佐彩子アナのようなタイプが確かにいまのフジには居らず、その役割がすべて山崎アナに集中しているような状態。だが、結果的に彼女の人気は急上昇していて、特番で大物芸人のアシスタントに就くのも、あの『フルタチさん』に抜擢されたのも山崎だ。
局アナでも“キャラ女子アナ”が台頭しているのだから、フリーアナが“お澄まし”しているだけでいいワケはない。美形でキャラが強くて、バラエティー的才能に溢れる人。
女子アナの採用やオーディションには、もはや声や滑舌の良さといったことは無関係と言えそうだ。