昨年12月、発生した新潟県糸魚川市の大火。都市部でこれだけ大規模な火災があるのは40年ぶりだった。災害は忘れた頃やってきて、しかも年々怖さを増している。今日まで起きなかったことが明日突然起きるかもしれないのだ。そんなときのために備える有効な手段を緊急点検しよう。
◆「こんなはずじゃ」が続発! 保険金の支払い条件に注意を
保険金の支払いには条件があり、いざ被害に遭って保険金を請求しても、支払われないケースもあるから要注意だ。
「大雨で下水が溢れ、床下浸水しました。汚泥が床下にたまってしまい、床を剥がして清掃・消毒するなど、後始末の費用は総額100万円以上。当然保険が下りるものだと思って、保険会社に請求したら、“床下浸水は補償の対象外”との回答。そんな契約になっていたなんて…」(50才女性)
さくら事務所のマネーコンサルタント・浅井理恵さんが言う。
「ほとんどの場合、水災による保険金の支払いは、保険の対象に30%以上の損害が発生した場合や、床上浸水、もしくは45cmを超える浸水があった場合に限られています」
また、多くの保険では自己負担額(0~10万円)が決められていて、保険金はそれをオーバーした分しか支払われない。
「どのような損害に対して保険金が支払われるのか、自己負担額がいくらに設定されているかなどをしっかり見ておくことが大切。必要があれば特約を加えることも検討しましょう」(浅井さん)
◆30万円以上の家財は記入しないと補償されない
「室内で出火し、幸いリビングだけで消し止めましたが、ソファやテレビが使えなくなった。ところが保険証書を確認すると、加入していたのは『建物』だけ。『家財』にも入っておけばよかったと思いましたが、後の祭りでした」(40代主婦)
持ち家の場合、火災保険は家財にもかけておくのが基本だと浅井さん。