ここで想定される緊急事態とは通常の方法では国民の命や人権、財産が守れない突発的な出来事です。その種類や性質は様々で、対応もまるで変わります。

 放射性物質の拡散が起きれば、「関東平野からすべての人々は48時間以内に退避せよ」と、人類を脅かす感染症が大流行したら「海外渡航を禁止せよ」と緊急命令を下さなければならないのです。

 法治国家で緊急事態が起これば、まずは法に従って対応しようとします。状況に応じ、警察や行政官庁が動く。

 でも緊急時にもっとも高い能力を発揮できるのが軍隊です。法律に縛られた警察などの行政組織とは違い、独立の通信、運輸、武器を持ち、不測の事態に対応する訓練を受けている。

 多くの国では、緊急事態が発生すると政府の権限の一部かまたはすべてを一時的に軍にゆだねる戒厳令を敷くことができる。戦前の日本もそうでした。でも日本には軍がない。

 日本には自衛隊がいるじゃないか、と思うかも知れない。でも、両者は違う。例えば自衛隊の災害派遣は原則、自治体の首長の要請を受けてからでないと動けない。災害が広域に跨がっただけで動きが鈍くなる。

 国家緊急権の重要性が分かってきたでしょうか。では、実際にどうするか。その規定を憲法や法律に書けばいいのか。でも想定外を想定するのは不可能。明記することで法律に縛られ、政府が必要な行動がとれなくなるという弊害が出ます。

 私は、超党派で国家緊急権発動後の事後手続きをどうするかだけ考えておく必要があると考えます。

関連記事

トピックス

母・佳代さんのエッセイ本を絶賛した小室圭さん
小室圭さん、母・佳代さんのエッセイ本を絶賛「お母さんと同じように本を出したい」と自身の作家デビューに意欲を燃やす 
女性セブン
日本館で来場者を迎えるイベントに出席した藤原紀香(時事通信フォト)
《雅子さまを迎えたコンサバなパンツ姿》藤原紀香の万博ファッションは「正統派で完璧すぎる」「あっぱれ。そのまま突き抜けて」とファッションディレクター解説
NEWSポストセブン
国民民主党の平岩征樹衆院議員の不倫が発覚。玉木代表よりも重い“無期限の党員資格停止”に(左・HPより、右・時事通信フォト)
【偽名不倫騒動】下半身スキャンダル相次ぐ国民民主党「フランクで好感を持たれている」新人議員の不倫 即座に玉木代表よりも重い“無期限の党員資格停止”になった理由は
NEWSポストセブン
ライブ配信中に、東京都・高田馬場の路上で刺され亡くなった佐藤愛里さん(22)。事件前後に流れ続けた映像は、犯行の生々しい一幕をとらえていた(友人提供)
《22歳女性ライバー最上あいさん刺殺》「葬式もお別れ会もなく…」友人が語る“事件後の悲劇”「イベントさえなければ、まだ生きていたのかな」
NEWSポストセブン
4月24日発売の『週刊文春』で、“二股交際疑惑”を報じられた女優・永野芽郁
永野芽郁、4年前にインスタ投稿していた「田中圭からもらった黄色い花」の写真…関係者が肝を冷やしていた「近すぎる関係」
NEWSポストセブン
東京高等裁判所
「死刑判決前は食事が喉を通らず」「暴力団員の裁判は誠に恐い」 “冷静沈着”な裁判官の“リアルすぎるお悩み”を告白《知られざる法廷の裏側》
NEWSポストセブン
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《インスタで娘の誕生報告》大谷翔平、過熱するメディアの取材攻勢に待ったをかけるセルフプロデュース力 心理士が指摘する「画像優位性効果」と「3Bの法則」
NEWSポストセブン
永野芽郁
《永野芽郁、田中圭とテキーラの夜》「隣に座って親しげに耳打ち」目撃されていた都内バーでの「仲間飲み」、懸念されていた「近すぎる距離感」
NEWSポストセブン
18年間ワキ毛を生やし続けるグラドル・しーちゃん
「女性のムダ毛処理って必要ですか?」18年間ワキ毛を生やし続けるグラドル・しーちゃん(40)が語った“剃らない選択”のきっかけ
NEWSポストセブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《田中圭に永野芽郁との不倫報道》元タレント妻は失望…“自宅に他の女性を連れ込まれる”衝撃「もっとモテたい、遊びたい」と語った結婚エピソード
NEWSポストセブン
上白石萌歌は『パリピ孔明 THE MOVIE』に出演する
【インタビュー】上白石萌歌が25歳を迎えて気づいたこと「人見知りをやめてみる。そのほうが面白い」「自責しすぎは禁物」
NEWSポストセブン
不倫報道のあった永野芽郁
《お泊まり報道の現場》永野芽郁が共演男性2人を招いた「4億円マンション」と田中圭とキム・ムジョン「来訪時にいた母親」との時間
NEWSポストセブン