日常を忘れてハマれるドラマには、今のあなたが心の奥で望んでいる要素がちりばめられているもの。強く生きたい「逆境突破タイプ」の人には、盛り上がりを見せる冬ドラの中で、運命に抗い自分で道を切り開く人たちを描いた以下の5作品が勇気をくれる。心理セラピストの内藤由貴子さん、TV・ドラマ解説者の木村隆志さんが解説する。
ひとつめは、『おんな城主 直虎』(毎週日曜20時~、NHK)。命を狙われ、行方知れずとなった婚約者・亀之丞(三浦春馬)との約束を守るため、おとわ(のちの直虎=柴咲コウ)は出家し、次郎法師として生きることを決意する。女として生まれながら、運命に翻弄され、男として城主となる直虎。
「今の時代、“お前が男だったらよかったのに”と言われると、女である自分という存在を否定されたと感じ、自分を見失う人もいます。ですが、彼女はそれを受けいれ、城主となるのですから、性別を超えて『自分』を信じて生きられる人。自分を信じきれずに悩む人が多い今、勇気をくれます」(内藤さん)
二つ目は、『嫌われる勇気』(毎週木曜21時~、フジテレビ系)。嫌われることを恐れない警視庁刑事部捜査一課8係の刑事・蘭子(香里奈)が、正義感の強い青山(加藤シゲアキ)とコンビを組み、難事件を解決していく。
オーストリアの心理学者、アルフレッド・アドラーの教えを刑事ドラマに落とし込んだ、話題の作品。
「他人にどう思われようが、私は私のために生きるという庵堂蘭子は、まさにアドラー的。他人の顔色を見るよりも、自分がどうしたいのか、そのためには嫌われる勇気も必要というのがテーマですから、ピンチ脱出のためのヒントが満載。単に自己中心的ではなく、自分に正直に生きることで、楽になれることを、教えてくれています」(内藤さん)
三つ目は、『大貧乏』(毎週日曜21時~、フジテレビ系)。2人の子供を育てるシングルマザーのゆず子(小雪)は、勤務先が倒産。無一文となるが、その裏には秘密が隠されていた。突然会社が倒産し、無一文になりながらも、社会の理不尽に立ち向かうシングルマザー・ゆず子。