スポーツ

稀勢の里 横綱昇進で声のトーンが変わった理由

横綱になってどこが変わった?(日本相撲協会公式HPより)

 経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になった著名人をピックアップ。記者会見などでの表情や仕草から、その人物の深層心理を推察する「今週の顔」。今回は、一躍時の人となった稀勢の里関を分析。

 * * *
「愚直」という言葉が、これほど当てはまる力士もいないだろう。19年ぶりに日本出身横綱となった稀勢の里を評する時、もっとも使われてきた言葉だ。

 愚直とは、正直なばかりで臨機応変な行動を取れないことを意味する。悪くいえばバカ正直だが、辛いことや困難なことがあっても、あきらめずひたむきにしぶとく、まっすぐに物事に取り組むことをいう。

「ちょっとかんだ」とはにかんでいたが、横綱昇進伝達式での口上は「精進します」というシンプルなもの。「自分の今の気持ちをそのまま」「ありのまま」を込めたという口上は話題になり、父・萩原貞彦さんは「まさに性格が出ている」と会見で語った。

 自分の言葉で横綱への思いを表した稀勢の里。思いだけでなく、自らの感覚を言語化する力の重要性を、横綱白鵬のスポーツトレーナーを長年務めてきた内藤堅志氏は、その著書でこう語っている。

《「自分が取り組んでいるスポーツ、仕事、趣味などで自分らしくふるまえる、活躍していける素地は誰にでもあるが、問題はそれがうまく表現できるかどうか」である。うまくできない時、そこから抜け出すためには「頭の中にあるものを言語化し、しっかりと認識する(体系化する)」》(『白鳳のメンタル 人生が10倍大きくなる「流れ」の構造』<講談社+α新書>)

 内藤氏によると、成功する人は“流れ”を持っているという。この流れを作るには、うまくいく時の流れや勝った時の感覚「勝つための感覚」を言葉にして、認識して、自分で知ることが必要である。感覚は失われやすいが、言語化する力があることで、ふだん稽古で身に付けたものが失われない。そして感覚を実際の強さにするためにすり足などの稽古をして型を作り、力が出せる状態“流れ”を作る。

 昨年は優勝なしで年間最多勝に輝いたが、インタビューでは「やることは変わらない」と悔しさを滲ませていた稀勢の里。だが年末には、部屋が土俵を崩したため、武蔵川部屋に出向いて四股を踏み、すり足を延々とやり「基本をだいぶやっていた」という。

「特別な言葉はいらない」と口上前に語っていたように、「勝つための感覚」を持続させ、自分の力が出せる状態“流れ”を作り、それを自分の武器にするために最も必要なのは特別なことではなく、「精進」という言葉で表された相撲への取組み方や意識、感覚なのだろう。

 さて、そんな稀勢の里だが、これまではマイクを向けても、蚊のなくような小さな声で早口で話し、聞きとりにくいと言われてきた。何が彼の声を小さくさせたのだろうか?

関連記事

トピックス

大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン
会見中、涙を拭う尼僧の叡敦(えいちょう)氏
【天台宗僧侶の性加害告発】フジテレビと同じ構造の問題ながら解決へ前進しない理由とは 被害女性への聞き取りも第三者の検証もなく、加害住職の「僧籍剥奪せず」を判断
NEWSポストセブン
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
フジテレビが今やるべきは、新番組『怒っていいとも!』を作ることではないか
NEWSポストセブン
沖縄・旭琉會の挨拶を受けた司忍組長
《雨に濡れた司忍組長》極秘外交に臨む六代目山口組 沖縄・旭琉會との会談で見せていた笑顔 分裂抗争は“風雲急を告げる”事態に
NEWSポストセブン
ゴールデンタイムでの地上波冠番組がスタートするSixTONES
ゴールデンタイムで冠番組スタートのSixTONES メンバー個々のキャラが確立、あらゆるジャンルで高評価…「国民的グループ」へと開花する春
女性セブン
中居正広氏とフジテレビ社屋(時事通信フォト)
【被害女性Aさん フジ問題で独占告白】「理不尽な思いをしている方がたくさん…」彼女はいま何を思い、何を求めるのか
週刊ポスト
食道がんであることを公表した石橋貴明、元妻の鈴木保奈美は沈黙を貫いている(左/Instagramより)
《食道がん公表のとんねるず・石橋貴明(63)》社長と所属女優として沈黙貫く元妻の鈴木保奈美との距離感、長女との確執乗り越え…「初孫抱いて見せていた笑顔」
NEWSポストセブン
生活を“ふつう”に送りたいだけなのに(写真/イメージマート)
【パニックで頬を何度も殴り…】発達障害の女子高生に「生徒や教員の安心が確保できない」と自主退学を勧告、《合理的配慮》の限界とは
NEWSポストセブン
5人での再始動にファンからは歓喜の声が上がった
《RIP SLYMEが5人で再始動》“雪解け”匂わすツーショット写真と、ファンを熱狂させた“フライング投稿”「ボタンのかけ違いがあった事に気付かされました」
NEWSポストセブン
中居正広の私服姿(2020年)
《白髪姿の中居正広氏》性暴力認定の直前に訪問していた一級建築士事務所が請け負う「オフィスビル内装設計」の引退後
NEWSポストセブン
これまで以上にすぐ球場を出るようになったという大谷翔平(写真/AFLO)
大谷翔平、“パパになる準備”は抜かりなし 産休制度を活用し真美子夫人の出産に立ち会いへ セレブ産院の育児講習会でおむつ替えや沐浴を猛特訓か
女性セブン
ネズミ混入トラブルを受けて24時間営業を取りやめに
《ゴキブリ・ネズミ問題で休業中》「すき家」24時間営業取りやめ 現役クルーが証言していた「こんなに汚かったのか」驚きの声
NEWSポストセブン