天皇の「生前退位」のお気持ち表明をきっかけに、秋篠宮の存在感が増している。昨年11月の誕生日には、天皇が退位の意思を表明したことについて「大変良かったことだと思います」と語り、発言を控える皇太子とは対照的だった。
秋篠宮はいまや、生前退位問題の議論の中心になろうとしている。1月17日、天皇、皇太子、秋篠宮による生前退位について、重要な三者会談が持たれた。この日は三者会談の後、皇后が加わって昼食会が開かれ、皇太子は午後1時半に皇居を出た。ところが、秋篠宮を乗せたゴールドのBMWが半蔵門を出たのはそれから45分後の午後2時15分だった。
宮内庁関係者の話である。
「秋篠宮さまの退出が遅くなったのは、三者会談のあと、秋篠宮家の今後の待遇について陛下と特別のお話し合いがあったのではないかと見られています」
天皇、皇后と皇太子家(皇太子、雅子妃、愛子内親王)は「内廷皇族」と呼ばれ、“分家”にあたる秋篠宮家とは予算、職員数などに大きな違いがある。
内廷皇族である皇太子家の生活費は「内廷費」で賄われる。皇室経済法施行法で金額は天皇、皇后を合わせた5人で年間3億2400万円と定められている。
秋篠宮家の生活費は他の皇族と同様「皇族としての品位保持」を名目に「皇族費」から支出される。金額は家族の人数によって計算され、秋篠宮(3050万円)、紀子妃(1525万円)、眞子内親王と佳子内親王(いずれも915万円)、未成年の悠仁親王(305万円)の5人で合計6710万円である(2016年度予算)。