乾燥する冬は、ウイルスの勢力も強まる時。風邪がなかなか治らない、インフルエンザにかかりやすい…、そんな人は、免疫力の低下が原因かもしれない。体内に侵入してきたウイルスや病気と“戦う”のは、リンパ球などの免疫細胞だ。主に、免疫細胞の約7割は腸にある。
人間の体内には、健康な人でも毎日5000個ものがん細胞が発生しているといわれているが、免疫力が高いと、がん細胞を攻撃し、発症や増大を未然に防いでくれる。
医師の加藤洋一さんによると、免疫力のピークは20代で、それ以降は徐々に減っていき、50代で急激に減少する。50才を過ぎるとがんの発症率が一気に上がるのもそのためだという。しかし、加藤さんは、免疫力は自分で鍛えられると話す。
「一卵性双生児で、ほぼ同じ免疫力をもって生まれても、生活習慣によって免疫力には差が出ます。大切なのは毎日の食事、運動、睡眠です。生活習慣を改善して免疫力を高めれば、がん細胞やウイルスを撃退できる体を作れるんです」
日々の生活の改善で免疫力は自力で上げられる。
免疫力アップに重要なのが食事だ。「免疫細胞を活性化させる食材を多く摂ることが、免疫力アップへの近道です」(加藤さん)。普段の食事に、以下の“パワー食材”を積極的に取り入れてはどうだろうか。
◆免疫細胞を活性化するファイトケミカルスムージー
“ファイトケミカル”は、植物や果物に含まれるポリフェノールなどの栄養成分。がんの原因となる活性酸素を抑える強い抗酸化作用がある。熱に弱く、皮や葉に多く含まれるので、丸ごとスムージーにして飲むと効率が良い。ほうれん草、ケール、にんじん、トマト、キウイ、りんごなどが飲みやすい。
◆良質なたんぱく質である大豆&青魚は免疫細胞の素
免疫細胞を作り出すのに必要なのが、その素となる良質なたんぱく質。おすすめなのは大豆や青魚。特に青魚に含まれる良質な油であるDHAやEPAは、体を温める効果もあるので免疫力アップに一役。さらに、血液をサラサラにして動脈硬化や脳梗塞の予防にも。