天皇陛下の生前退位について賛成、反対両陣営を代表する論客である、漫画家・小林よしのり氏と麗澤大学教授・八木秀次氏が激突したこの対談。後編の今号では、議論はさらに熱を帯び、皇位の安定的な継承を続けるために、今すぐ議論すべき「旧宮家系男子の存在」「女性・女系天皇」の問題で激しくやり合った。
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小林:有識者会議の意見を取り入れて特例法で落ち着いたとしても、引き続き皇位継承問題は残る。女性・女系天皇を公認しないかぎり皇統は続かない。もし絶対に男系男子のまま行くというなら、旧宮家系の男性で「皇族になってもよい」という人を早く連れて来てくださいよ。いない人の話をしても仕方がない。該当者がいなければ、法律も作れませんよ。
八木:もちろんそうですが、いますから大丈夫です。家族構成や年齢など、すでに把握されています。
小林:でも週刊新潮(*)が調べたら、皇族になるという人間は誰もいなかった。
【*『週刊新潮』2011年12月15日号掲載「お家断絶もある『皇籍離脱』男系男子リスト」。同記事は1947年に皇籍離脱した11宮家の末裔のうち、独身の男系男子は多くなく、東伏見、山階、閑院などの旧宮家が断絶していることを報じた。さらに、若い男系男子がいる家に、女性皇族への婿入りを聞いたところ、その意志を表明した者はいなかった】
八木:週刊誌の取材で「皇籍復帰なさりたいですか?」と聞かれて「したいです」とは答えられない。
小林:答えられないのか、なりたくないのか、いまの時点では推測することしかできないよ。法律を作るには、やはり連れて来て国民に見せてくれないと。
八木:見せたら、どうせまたすぐにバッシングするでしょ(笑)。「アダルトビデオをこんなに借りてたぞ」とかいって。
小林:そんなの当たり前だよ。週刊誌が一斉に調べて書くでしょう。国民の信頼を得るには、それもクリアしなきゃダメ。だから堂々と連れて来て、記者会見すればいいのよ。
八木:そんな必要はありません。政府として把握できていればいい問題です。
小林:いや、国民に知らせないのはおかしいよ。政府が把握できてるかどうかわからない状態では、法律に賛成も反対もできない。