小池百合子東京都知事にとって目下の課題となっているのが築地市場の豊洲移転問題。小池氏を知る関係者は、「彼女が狙っているのは、豊洲移転の白紙撤回です」と明かす。
小池氏にとって移転問題の解決は、土壌問題を担当した環境相時代(2003~2005年)からの悲願だ。
「そもそもどんな経緯で移転が決まったのか、当初4000億円の見込みだった建設費がなぜ6000億円まで膨れあがったのか。厳しく検証しなければならないと考えたのです。古いタイプの政治家なら“寝た子を起こすな”と流されがちなところ、彼女はそうしなかった」(前出・関係者)
知事に就任するや、公約通り移転の延期を決定。さらに小池氏も予想だにしない問題が噴出した。「盛り土・地下空間」と「汚染水」だ。
「正直なところ、地下水が飲用や魚を洗うのに使われたりするわけではありません。健康への影響も皆無に等しく、小池さんの陣営に“移転はやむなし”という考えの人も多い。それでも小池さんは“都民の台所”と位置づける豊洲市場の安全性に1ミリでも不安が残るなら、目はつぶれないという考えです。それは、家族や子供には食の安全・安心を求める世の主婦の視線なんでしょう」(前出・関係者)
白紙撤回するとなれば、これまで費やした移転費用が無に帰し、さらに老朽化が進む築地市場の改修にも莫大な金がかかる。
「どっちに転んでも税金が使われるわけですから、批判の嵐は避けられません。いっそ、都庁を豊洲に移してしまえばいいのではないか。小池さんが光を当てるまで、都議の連中も都の職員も市場の移転を進めてきたわけなんだから、だだ漏れする汚染水の上で働くのに今さら抵抗があるなんて言わせませんよ」(政治ジャーナリスト)
やまない批判に小池氏が狙うのは白紙撤回を宣言するまたとないチャンスだ。
「豊洲移転を不透明な経緯で推し進めた石原さんを証人喚問するのを視野に、2月中にも『百条委員会』設置の動きがあるんです」(前出・関係者)