ライフ

直虎ブームで再注目 井伊直弼の遺体が消えていた

豪徳寺にある井伊直弼の墓に異変が

 NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』が高視聴率をキープし、「直虎」ブームを巻き起こしている。「井伊家」といえば、直虎以上に有名なのが、井伊直弼(なおすけ)だ。誰もが歴史の授業で一度はその名を聞いたことがあるだろう。その直弼の遺体の所在をめぐって、今、大きな謎が持ち上がっている。

 * * *
 激動の幕末、徳川幕府の大老として日本の近代化への道筋を示したと評される井伊直弼。一方で、明治維新を牽引した志士たちの視点からは「悪玉」として説明される人物だ。

 1858年、日米修好通商条約締結を断行した直弼は、開国に反対する幕藩体制を脅かす攘夷派を徹底的に粛清し、吉田松陰らを処刑した。「安政の大獄」である。この強権政治が恨みを買い、1860年、直弼は江戸城桜田門外で水戸・薩摩の脱藩浪士らに暗殺され(桜田門外の変)、志半ばでその生涯を閉じた。

 このとき討ち取られた直弼の遺体の所在については、諸説残されている。

 文芸評論家・野口武彦氏著『井伊直弼の首』(新潮新書)によると、暗殺した薩摩藩の脱藩浪士・有村次左衛門は直弼の首を持ち帰ろうとしたが、自らも深手を負っていたため三上藩(現在の滋賀県野洲市)主・遠藤胤統の屋敷(東京・神楽坂)前で力尽きて自刃。遠藤家が一度はその首を引き取ったが、その後家臣たちの尽力によって井伊家に戻され、胴体と縫合されて荏原郡世田谷村(現在の東京都世田谷区)にある井伊家の菩提寺・豪徳寺に葬られたとされている。

 現在も豪徳寺には直弼の墓が建っている。だが、桜田門外の変からおよそ150年たった2009年、衝撃の事実が判明した。

関連キーワード

関連記事

トピックス

氷川きよしが紅白に出場するのは24回目(産経新聞社)
「胸中の先生と常に一緒なのです」氷川きよしが初めて告白した“幼少期のいじめ体験”と“池田大作氏一周忌への思い”
女性セブン
公益通報されていた世耕弘成・前党参院幹事長(時事通信フォト)
【スクープ】世耕弘成氏、自らが理事長を務める近畿大学で公益通報されていた 教職員組合が「大学を自身の政治活動に利用、私物化している」と告発
週刊ポスト
阪神西宮駅前の演説もすさまじい人だかりだった(11月4日)
「立花さんのYouTubeでテレビのウソがわかった」「メディアは一切信用しない」兵庫県知事選、斎藤元彦氏の応援団に“1か月密着取材” 見えてきた勝利の背景
週刊ポスト
多くのドラマや映画で活躍する俳優の菅田将暉
菅田将暉の七光りやコネではない!「けんと」「新樹」弟2人が快進撃を見せる必然
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
NEWSポストセブン