2つの山口組による代理戦争と化した京都独立団体の内紛は、2人の新会長が「我こそ正統」と主張する前代未聞の事態となった。フリーライターの鈴木智彦氏がリポートする。
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会津小鉄会の分裂劇は最悪の状況に陥った。2月7日、離脱派が参集し、会津小鉄会を絶縁になったはずの原田昇元若頭が自身の事務所で、「七代目会津小鉄会継承式」を開催したのだ。
1月21日、すでに会津小鉄会は馬場美次六代目が総裁となり、金子利典会長に七代目を譲っている。離脱派は自分たちも「会津小鉄会」を名乗り、原田会長が七代目を継承したと主張。「本物はこちらで、向こうはパチモンや」とも主張する(以下、金子会長の会津小鉄会を「金子派」、原田会長の会津小鉄会を「原田派」とする)。
これによって京都には同じ名前の会津小鉄会と2人の七代目会長が存在することとなった。暴力団の分裂は珍しくないが、離脱組は新団体を名乗るか、分派を明確にする名称を使うのがセオリーだった。山口組にしても分派した側は「神戸山口組」を名乗った。
「なにもかも同じというのはヤクザ社会で初めてのこと。どちらを後継団体と見ればいいかわからず困惑している」(警察関係者)