インフルエンザの流行が収まらない。「インフルエンザは風邪のひどいやつ」という意識を持っている人も少なくないが、大きな間違い。重症化して「インフルエンザ脳症」まで進行すれば、死の危険性すらあるのだ。
インフルエンザ脳症の症状は、けいれん、意識障害、異常行動の3つで、熱が急激に上がった時になりやすい。目がうつろになったり、わけのわからないことを口走ったり、興奮して走り回ったりする。
場合によっては熱が出始めてから2、3日で死に至ることもあります。知的障害、てんかん、高次脳機能障害などの後遺症が残ることもある。
死の危険があるのはインフルエンザ脳症だけではない。1月に入ってから、千葉、静岡、香川、鹿児島などの高齢者施設や病院でインフルエンザの集団感染が起き、高齢者ら少なくとも9人が死亡した。
最近でも愛媛県の高齢者施設で入所者13人と職員2人の計15人が集団感染し、2月10日に107才の女性入所者が亡くなっている。
インフルエンザウイルスにはA型、B型、C型の3つのタイプがある。みやがわクリニックの宮川浩一さんはこう解説する。
「今流行しているのは、A香港型です。一般に流行りやすいタイプですが、症状が強く、小児や高齢者、体力が弱っている人は重症化しやすいので要注意。特に高齢者の場合、肺炎などの合併症を引き起こし、亡くなるケースも珍しくありません。もともと抵抗力が弱いうえに、高熱によって抵抗力がさらに落ち、普段は抑えられている細菌に対して体が抵抗できない状態になって肺炎などを併発してしまうのです」
では、インフルエンザを重症化させないためには、どうすればいいのか。