ビジネス

大前研一氏、日本は野心に満ちた若者少ないため出世できる

「日本はぬるま湯だ」と指摘する大前研一氏

 社会学者の上野千鶴子氏が「平等に貧しくなろう」と中日新聞・東京新聞で語ったのを契機に、ネット上でも大きな議論が巻き起こった。日本は豊かなのか貧しいのか、低成長はよいことなのか悪なのか? 経営コンサルタントの大前研一氏が、日本にとって「低成長」とはどんな意味をもつのかについて解説する。

 * * *
 今年に入ってから新聞・雑誌を中心に「低成長論争」が喧(かまびす)しくなっている。「ゼロ成長は悪なのか?」「成長よりも成熟を」といった低成長容認論に対し、「成長至上主義を放棄すべきではない」「成長をあきらめていたら国際競争力を失う」などの反論が相次いでいるのだ。

 しかし、私はどちらの見方にも与しない。そもそも日本は、バブル崩壊後25年にわたって低成長やマイナス成長が常態化している。安倍晋三首相と黒田東彦(はるひこ)・日本銀行総裁は4年前からアベクロノミクスで2%成長を目指しているわけだが、一向に成長率は上向いていない。それは日本の人口、とくに労働力人口が減り続けているのだから当たり前のことであり、低成長が良いとか悪いとか、容認するとかしないとかいうレベルの話ではないのである。

 もはや日本は成長しえない、という前提に立った場合、大きく分けて二つの議論がある。一つは「日本という国家の選択肢はどうあるべきか?」、もう一つは「そこに暮らす国民一人一人はどうすべきか?」。これをごちゃごちゃにすると問題の本質が見えなくなる。

 まず、国家の問題としてとらえると、かつて大航海時代に覇権を握ったスペインやポルトガル、イタリア、オランダ、イギリスはどうなったか?

関連記事

トピックス

再ブレイクを目指すいしだ壱成
《いしだ壱成・独占インタビュー》ダウンタウン・松本人志の“言葉”に涙を流して決意した「役者」での再起
NEWSポストセブン
名バイプレイヤーとして知られる岸部一徳(時事通信フォト)
《マンションの一室に消えて…》俳優・岸部一徳(77) 妻ではないショートカット女性と“腕組みワインデート”年下妻とは「10年以上の別居生活」
NEWSポストセブン
ラフな格好の窪田正孝と水川あさみ(2024年11月中旬)
【紙袋を代わりに】水川あさみと窪田正孝 「結婚5年」でも「一緒に映画鑑賞」の心地いい距離感
NEWSポストセブン
来春の進路に注目(写真/共同通信社)
悠仁さまの“東大進学”に反対する7000人超の署名を東大総長が“受け取り拒否” 東大は「署名運動について、承知しておりません」とコメント
週刊ポスト
司忍組長も傘下組織組員の「オレオレ詐欺」による使用者責任で訴訟を起こされている(時事通信フォト)
【山口組分裂抗争】神戸山口組・井上邦雄組長の「ボディガード」が電撃引退していた これで初期メンバー13人→3人へ
NEWSポストセブン
『岡田ゆい』名義で活動し脱税していた長嶋未久氏(Instagramより)
《あられもない姿で2億円荒稼ぎ》脱税で刑事告発された40歳女性コスプレイヤーは“過激配信のパイオニア” 大人向けグッズも使って連日配信
NEWSポストセブン
俳優の竹内涼真(左)の妹でタレントのたけうちほのか(右、どちらもHPより)
《竹内涼真の妹》たけうちほのか、バツイチ人気芸人との交際で激減していた「バラエティー出演」“彼氏トークNG”になった切実な理由
NEWSポストセブン
ご公務と日本赤十字社での仕事を両立されている愛子さま(2024年10月、東京・港区。撮影/JMPA)
愛子さまの新側近は外務省から出向した「国連とのパイプ役」 国連が皇室典範改正を勧告したタイミングで起用、不安解消のサポート役への期待
女性セブン
第2次石破内閣でデジタル兼内閣府政務官に就任した岸信千世政務官(時事通信フォト)
《入籍して激怒された》最強の世襲議員・岸信千世氏が「年上のバリキャリ美人妻」と極秘婚で地元後援会が「報告ない」と絶句
NEWSポストセブン
氷川きよしが紅白に出場するのは24回目(産経新聞社)
「胸中の先生と常に一緒なのです」氷川きよしが初めて告白した“幼少期のいじめ体験”と“池田大作氏一周忌への思い”
女性セブン
阪神西宮駅前の演説もすさまじい人だかりだった(11月4日)
「立花さんのYouTubeでテレビのウソがわかった」「メディアは一切信用しない」兵庫県知事選、斎藤元彦氏の応援団に“1か月密着取材” 見えてきた勝利の背景
週刊ポスト
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン