「櫻井さんは頭のいい青年としてとてもうまく立ち回っているように思います。あえて強い意見を言わずに、一つひとつの話題を上手にさばいています。同じジャニーズで『news every.』(日本テレビ系)に出演するNEWSの小山慶一郎(32)さんも、それに似たところがあります」
どの人物も報道番組に抜擢されるだけあって、一定水準はクリアしている。しかし碓井さんはある違和感を払拭できないのだという。
「タレントや俳優が報道番組でニュースを扱うというのはおそらく日本独自の文化だと思います。海外でたとえばクリント・イーストウッドやジョージ・クルーニーが何かの機会に政治や社会問題に対するメッセージを表明することはあっても、俳優自身が毎日のニュースについて語ることはありません。
嵐の櫻井さんが『NEWS ZERO』のキャスターに決まった時、多くの人が『どうして彼からニュースを聞かないといけないの?』と戸惑ったと思います。慶應大学を出ているといってもそういう人は世の中にたくさんいるし、櫻井さんがなぜ報道キャスターをするのか、今ひとつ理解しきれなかった。同じく『NEWS ZERO』キャスターの桐谷美玲(27)さんもスタジオの華になってはいるけれど、『そもそも報道にそういうものって必要なの?』とも思います。いつの間にか慣れてしまいましたが、よくよく考えると私たちは、俳優やタレントがニュースを伝えるという不思議な光景を目にしているのです」
報道番組の本来の使命は、世の中の出来事や関心事を公平・公正に伝えることにある。しかしテレビビジネスがシビアになる中で、「報道といえども視聴率を取らなくてはいけない時代になっている」と碓井さんは指摘する。視聴者の呼び込み策として、俳優やタレントを起用するケースが今後ますます増える流れは止まりそうにない。
『サタデーステーション』もまた、そのような番組の一つになるのかもしれないが、ディーン個人に関していえば「俳優としての株を上げるチャンスでもある」と碓井さんは言う。そのためのヒントとなるのが、すでに芸能界にいない意外な二人だ。