放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、女性タレントと所属事務所の関係性について明かす。
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その活躍ぶりをとっても、周囲の期待度の高さをとっても、若手No.1と言っても過言ではなかった清水富美加の「出家」騒動。
彼女の著書『全部、言っちゃうね。~本名・清水富美加、今日、出家しまする。~』がスピード出版されてからは、まさかの不倫問題へと世の中の興味は変わりつつあるものの、所属事務所の待遇面は、メディアにずいぶん取沙汰されたものである。
特にクローズアップされてしまったのは「睡眠時間が3時間しかないほど働いても月給5万円」という点だ。
それに対して多くの芸能人や芸能関係者から発せられたのは「自分も10代の頃は、そんなものだった」「事務所は先行投資をしているので特に驚く数字でもない」というコメント。それに対して、一般の方から異口同音に「ズレている」との意見があがったのは皆さんご存知のとおりである。
「若い女性タレントを数多くお預かりしている立場として、今回のことは大きな衝撃だった」というのは、某プロダクション幹部の弁。
「一般の方の中には、芸能プロダクションをブラック企業のように思われた方もおいでになるでしょう。我々としても、考え直さなければならないことはたくさんある」としつつも、他にも何人か話を聞いた芸能プロダクション関係者は一様に「若い女の子たちの管理は本当に難しい」と言うのである。
なかでも「最近特に難しいのは、モデルからスタートする子たちの管理」なのだという。
「でも、いまって、たいていの女の子は、モデル出身じゃないですか?」と私が言うと、「その通りです。アーティストであっても、曲を出す前はモデルだった子もいますし」と某幹部は困り顔だった。
モデルと言っても、海外のコレクションに出るような身長170cm以上で8頭身~9頭身を売りにするファッションモデルではなく、“読モ”と呼ばれる、素人っぽいモデルが人気者になる傾向になってからは、余計、「スタートはモデルという子が増えた」そうだ。
所属事務所としては、「人数も多く、誰がどのタイミングでブレイクするか正直わからない」のが現状だと言い。「このテの子たちについては、事務所が大手だから売れるという時代も終わりつつあるのかもしれない」と。
テレビ番組や雑誌ではなく、SNSにアップされた“一枚”から火が付いたり、既存の女性タレントが「カワイイ」「オシャレ」と評価したことがきっかけで、所属事務所が把握せぬまま、売れてしまったりするケースが増えつつあるのも、昨今の傾向だ。