もう1つの理由は、視聴者の意識変化。もともと2時間ドラマのメインターゲットは40代以降の中高年層であり、リアルタイムで視聴していました。しかし、録画機器の低価格化で中高年層ですら「無理して23時まで見るより録画の方がいい」という考え方に変わったのです。
実際、今回の改編で2時間ドラマが日曜朝に移ったのは、「中高年層がリアルタイム視聴できる時間帯」だから。先述した『月曜名作劇場』と『金曜プレミアム』が20~22時の放送に前倒しされたのも、「リアルタイムで見られるのは22時までが限界」の高齢視聴者が多いからに他なりません。
また、スマホやパソコンの普及で“ながら視聴”する人が増え、「じっくり推理を楽しまない」「2時間ずっと見ていられない」人が増えました。1時間の連ドラでもなかなか集中して見てもらえない時代であり、特に若年層はネットの短時間動画がベースのため、「2時間ドラマを見ること」へのハードルは高いのです。
その他にも、「表現の自主規制でお色気や残酷なシーンを描けなくなった」「局内の経費削減が進む中、多くのロケが必要で制作期間の長い2時間ドラマはコスパが悪い」などの理由が考えられます。
◆求められる新たな名物作家とスター俳優