2月1日のキャンプイン以降、どのスポーツ紙にも、景気がいい報道ばかり溢れている。だが、昨年のキャンプ報道を検証すれば、「絶好調報道が大ハズレばかり」であることがハッキリとわかる。たとえば、ソフトバンク・松坂大輔(36)の場合はこんな具合だ。
メジャー帰りの“元”剛腕は“眠れる獅子”となって久しいが、今年は西武黄金時代の「投げ込みフォーム固め」で猛アピール。視察に訪れたWBC日本代表・権藤博投手コーチに〈キューバ戦任せたぞ〉(2月5日、スポーツ報知)といわしめたことが取り上げられた。
一方、昨年は〈完全復活へ前進!松坂「いい感じ」〉(2016年2月2日、日刊スポーツ)という「絶好調報道」があり、今年の“松坂大輔復活記事”はまるで昨年の引き写しなのだ。
その松坂の2016年シーズンはどうだったか。一軍初登板は日ハムに11.5ゲーム差を引っくり返されて優勝をさらわれた後、10月2日の消化試合。1回を被安打3、与四死球4、暴投1の5失点(自責点は2、防御率18.00)という成績でファンをガッカリさせた。
これで今季の復活報道こそは信じてほしいといわれても、さすがにそれは難しい。昨季は松坂同様、メジャーリーグ挑戦からの日本球界復帰(四国アイランドリーグを経由)を果たした、阪神・藤川球児(36)も、“先発転向プラン”で紙面を賑わせていた。
〈藤川、熱投80球!金本監督大絶賛「モノ違う」〉(2016年2月2日、サンケイスポーツ)に続き、〈球児14日先発「再デビュー」決定〉(2016年2月10日、大阪日刊スポーツ)と連日のように報じられたが、ペナントレースでの先発起用は5試合のみ。かといってクローザーにもなれず、藤川渡米後の不動のセットアッパー・呉昇桓(34、カージナルス)が退団した穴も埋められず、5勝6敗3セーブというパッとしないシーズンに終わった。