〈大相撲がはじまると、人生もまた十五番勝負だな、と思う。はたして、いまの私は何勝何敗なのであるか〉〈七十五歳で十五番勝負をするとすれば、五年間が一勝負となる〉──。「人生十五番勝負」という人生観について語った作家の嵐山光三郎氏による「文藝春秋」2月号掲載のエッセイが話題となっている。千秋楽を迎えたら、あなたの人生は勝ち越しか負け越しか。
0歳から5年ごとに人生を区切り、勝敗を出した嵐山氏は75歳の今年、七勝七敗で千秋楽を迎えるとして、〈なんとか八勝七敗で勝ち越して、字余りの時間を漂流したい〉という。0歳から5年ごとに人生を区切り、自分で勝敗をつけてしまうというのだから、なんとも明快な人生回顧である。では各界の著名人は、どんな“星取表”なのか。
三重県出身《ファッション部屋》のドン小西氏(66)はまさに勝ったり負けたりで、年商30億円の実業家として乗りに乗っていた時期もあれば、15億円の負債を抱えてお先真っ暗になっていた時期もある。
初日から三日目(0歳から15歳)までは3連勝。裕福な呉服屋に生まれ、そのまますくすくと育つ。黒星を初めて喫したのは四日目(16~20歳)。高校入学で上京したときだ。
「寮での生活が軍隊みたいで、しごかれて大変だった」
ところが次の取組は豪快な電車道。
「20代前半は大学を中退して、酒にディスコに女性に、やりたい放題だったね。同時に15人のガールフレンドと付き合っていた。イヴ・サンローランのパンツを買うために3~4日食べないこともあったけど、刺激的だったよ」
中日(36~40歳)には大金星を挙げる。ビートたけしら著名人が愛用したことで、小西氏のブランドの知名度が急上昇したのだ。