幼い頃の社会科見学以来、工場に足を運んだことがないという人も多いだろう。いまも日本の産業を支えているのは工場だ。そこには伝統的な技術から、最新テクノロジーまでエンジニアたちの努力が詰まっている。「あの時代」を懐かしむのも良し、「最先端」に驚くのも良し。大人になったいまだからこそ楽しめる工場見学の世界に案内する。
【新日鐵住金 鹿島製鐵所】「日本の高度経済成長を支えた圧巻のスケール!」
完成品はクレーンで船に積まれ、敷地内の港から国内および海外に出荷されている。不純物を取り除いた鋼は固めて薄く伸ばされ、表面にできる酸化鉄を大量の水で取り除きながら用途に合わせてさらに薄く成形されていく。その後加工されて車のボディ等になる薄板ができあがる。別のラインではパイプライン用の大径鋼管なども製造されている
東京ドーム220個分の広大な敷地を回りながら様々な鉄の製造工程を見学できる。最大の見どころは熱延工場。轟音とともに赤黒い“光の板”が時速100km近い速さで眼下を通過する。
「約1200度に熱した鋼に圧力をかけ長い帯状にし、最終的に薄さ1.2ミリまで伸ばして巻き取る。室内温度は体感で50度ほどに感じることも」(担当者)
鋼の表面の酸化鉄を高圧の水で豪快に吹き飛ばす様子も見もの。「製品の品質は世界トップクラスと自負しています」(同前)
◆住所:茨城県鹿嶋市光3番地
◆見学対応日・時間:要予約(希望日の4週間前までに電話予約が必要)、9:00~16:00
◆所要時間約2時間
◆料金:無料