ブランド牛肉やコシヒカリ米、フルーツなどの特産品がもらえるとあって、人気が高まっている「ふるさと納税」。2016年度は、前年の3倍近い129.5万人がふるさと納税の適用を受けた。
ふるさと納税はお礼にもらえる特産品が注目されがちだが、何よりのメリットは利用額に応じた税制優遇だ。税理士の福田真弓さんが説明する。
「ふるさと納税したお金は、自治体に寄付されています。通常、自治体や認定NPO法人などに寄付をすると、『寄付金控除』という税制優遇を受けられます。ふるさと納税はこの寄付金控除の一環で、寄付した金額が一定額までなら、2000円の自己負担を除いた全額が戻ってくるおトクな制度です」(福田さん、以下「」内同)
最近、地方に寄付しすぎるため、都市部の税収減が問題になっているのはこのためだ。
寄付金控除を受けるには、原則的に確定申告する必要があるが、ふるさと納税に関しては次の3要件を満たせば、寄付した自治体が控除手続きをしてくれる「ワンストップ特例」が適用されて申告が免除される。
【1】寄付した自治体が5か所以下。
【2】寄付した自治体すべてにワンストップ特例の申請書を提出した。
【3】ふるさと納税以外に確定申告するものがない。
この3つを満たすと、確定申告をしなくても寄付したお金は取り戻せる。ワンストップ特例を利用した人の2016年分の寄付については、2000円を除いた寄付金の全額が、2017年分の住民税から差し引かれるので、給与明細などで確認してみよう。
便利な制度だが、残念ながらこの3要件に当てはまらないと利用できない。「6か所以上の自治体にふるさと納税した」「申請書を送るのを忘れた」「ほかにも利用できる控除がある」といった人は、確定申告でお金を取り戻そう。ちなみにワンストップ特例の申請書の必着は1月10日。1件でも送付し忘れていると確定申告が必要だ。
申告すれば同じようにお金は取り戻せるが、ワンストップ特例と確定申告では、税金の戻り方が変わってくる。