近年では、どれだけ視聴されているかを測る「視聴率」だけでなく、「視聴熱」も重要視されている。視聴熱とは、ツイッターのつぶやきなどSNSでの盛り上がり、さらに『ザテレビジョン』編集部の独自調査を基に集計し、それをリアルタイム、デイリー、ウィークリーの3種類にランキングして推し量る。
視聴率はひと桁でも、視聴熱1位なのが『カルテット』(TBS系)だ。その理由についてコラムニスト・テレビ解説者の木村隆志さんはこう分析する。
「視聴者の多くは、脚本家の坂元裕二さんが紡ぐせりふの面白さに期待していて、それを聞き逃したくない。だから繰り返し聞けるように、録画視聴を選ぶ傾向が強いのだと思います。録画視聴が増えるのは、それだけ作品に対する愛着があるからですが、それは視聴率からは見えません」
例えば、「泣きながらご飯を食べたことがある人は生きていけます」「愛してるけど好きじゃない」「人って、価値観が合うか器がおっきいか、どっちかないとキツイでしょ」。こうした台詞が「刺さる」という視聴者には、録画でじっくり見ている人が多いのだろう。
視聴熱2位の『奪い愛、冬』(テレビ朝日系)は、泥沼不倫の予測不能な展開と、水野美紀の“怪演”が大きな話題を呼んでいる。不倫の現場に遭遇した水野が「ここにいるよぉぉぉ」とクローゼットから飛び出してきたり、夫の不倫相手を土下座させ、路上に散乱したチョコレートを食べるように強要するなどの“怖すぎる”シーンはツイッター上で大ウケしている。
第6話(2月24日放送)の視聴率は7.1%と最終回に向け上昇しているが、SNS上での熱狂ぶりが、視聴率に反映されているわけではないようだ。
「昼ドラ的な展開でツッコミどころ満載なので、視聴者の好き嫌いがはっきり分かれるドラマ。好きな人はリアルタイムでネット上の友達とツッコミ合いながら見ますが、同じ人々が繰り返しツイートをしているので、全体数が増えていると思われます」(木村さん)
『奪い愛、冬』を担当するテレビ朝日のプロデューサー・川島誠史さんはこう語る。