鴻池祥肇・元防災相が緊急会見で「無礼者! とカネは突き返した」と言えば、安倍晋三・首相は国会で「会ったこともない」と繰り返す。国有地払下げ問題の疑惑拡大とともに森友学園と“親交”があった政治家たちが一斉に手の平を返すなか、「あんなに応援したのに、政治家の先生方の物言いには納得がいきません」と怒る新たな証言者が現われた。
森友学園が幼稚園児に教えている君が代や軍歌の斉唱も、教育勅語の朗読も、「安倍首相ガンバレ」の激励を含めて、安倍首相の教育観と親和性が高い。だからこそ首相は国会で同学園の籠池泰典・理事長について最初はこう激賞してみせたはずだ。
「いわば私の考え方に非常に共鳴している方でですね」
「妻から森友学園の先生(籠池氏)の教育に対する熱意は素晴らしいという話を聞いている」
ところが、森友学園批判が強まると発言を一変させた。
「学校がやってることの詳細はまったく承知していない」
「個人的には一回もお会いした記憶はない」
さらには森友学園が「安倍晋三記念小学校」の名称で新設する小学校の寄付集めをしていたことについて、首相は何度も断わったと説明したうえで、「教育者の姿勢としていかがなものか」「この方は簡単に引き下がらない。非常にしつこい」と酷評した。こうした首相の“豹変”に怒っているのが籠池氏の長男・佳茂氏だ。
「父は安倍先生の熱狂的な支持者なんです。安倍政権ができた時には、日本という国が本当によくなると本当に喜んでいた。父の気持ちは安倍先生にも伝わっていたと思います。だから父のことを『立派な教育者だと聞いている』と仰った。
それがいまや安倍先生から、『しつこい』とか、『教育者としていかがなものか』とまで言われ、あれだけ一所懸命応援していた父がどんなにショックを受けているかと思うと黙っていられません」
佳茂氏は本誌のインタビューに応じ、安倍首相との面会から、日本会議との接点、稲田朋美・防衛相や山谷えり子・元拉致担当相との奇しき縁まで語った。