ライフ

胃のX線検査 「癌疑い」のうち98%が癌でなかった

諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師

 長野県といえば地域医療の先進地域で、現在の健康診断のモデルとなった一斉検診を全国に先駆けて導入したエリアである。それならば、長野県の諏訪中央病院名誉院長でもある鎌田實医師も、検査に熱心なのかといえば、『検査なんか嫌いだ』という著書をこのたび上梓。最新刊のタイトルと同じく、意味のない検査やエビデンスが薄い治療はしたくないという。なぜ、不要な検査があると考えるのか、鎌田医師が解説する。

 * * *
 永六輔さんは有名な検査嫌いだった。周囲からすすめられて一泊の入院ドックを受けることにしたものの、いろいろな検査を次から次と拒否し続けた。その結果、出てきたデータは体重と身長だけ。そんな有名な笑い話がある。

 ぼくは、永さんほどの検査嫌いではないが、意味のない検査やエビデンスの薄い不要な治療はしたくないと思っている。

 2010年ごろから、アメリカの50の医学会が賛同し、「Choosing Wisely」(賢明な検査や治療法を選ぼう)という運動が始まった。日本でも、Choosing Wisely Japanが立ち上がっている。

 アメリカでの運動で指摘されている検査や治療について、ぼくが気になったものを紹介しよう。

「70歳を超える高齢者のコレステロールは下げてはいけない。コレステロール値が低いほうが死亡率が高い」

 この指摘には賛成である。日本でもコレステロール値が少し高い人のほうが長生きしているというデータがある。

 コレステロールに関しては、日本も方向性が変わりだしている。厚生労働省では、健康な成人の、食事で摂取する一日のコレステロールの基準値を撤廃した。食事からコレステロールを摂っても、血液中のコレステロール値はあまり関係しないことがわかったからだ。「卵は一日一個まで」と目くじらを立てなくてもよくなった。寝たきりの原因になる、筋肉の虚弱という意味の「フレイル」という言葉も使われ出した。肉をもっと食べたほうがいいのだ。

 こうしたコレステロールとのつき合い方が変わっていくなかで、高齢者は脂質異常の検査に一喜一憂しなくていいことになる。検査も頻回にする必要もなくなる。

関連記事

トピックス

女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された
【薬物検査どころじゃなかった】広末涼子容疑者「体を丸めて会話拒む」「指示に従わず暴れ…」取り調べ室の中の異様な光景 現在は落ち着き、いよいよ検査可能な状態に
NEWSポストセブン
運転中の広末涼子容疑者(2023年12月撮影)
《広末涼子の男性同乗者》事故を起こしたジープは“自称マネージャー”のクルマだった「独立直後から彼女を支える関係」
NEWSポストセブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された
《病院の中をウロウロ…挙動不審》広末涼子容疑者、逮捕前に「薬コンプリート!」「あーー逃げたい」など体調不良を吐露していた苦悩…看護師の左足を蹴る
NEWSポストセブン
北極域研究船の命名・進水式に出席した愛子さま(時事通信フォト)
「本番前のリハーサルで斧を手にして“重いですね”」愛子さまご公務の入念な下準備と器用な手さばき
NEWSポストセブン
広末涼子容疑者(写真は2023年12月)と事故現場
《広末涼子が逮捕》「グシャグシャの黒いジープが…」トラック追突事故の目撃者が証言した「緊迫の事故現場」、事故直後の不審な動き“立ったり座ったりはみ出しそうになったり”
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者(2023年12月撮影)
【広末涼子容疑者が追突事故】「フワーッと交差点に入る」関係者が語った“危なっかしい運転”《15年前にも「追突」の事故歴》
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《中山美穂さん死後4カ月》辻仁成が元妻の誕生日に投稿していた「38文字」の想い…最後の“ワイルド恋人”が今も背負う「彼女の名前」
NEWSポストセブン
山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
Tarou「中学校行かない宣言」に関する親の思いとは(本人Xより)
《小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」》両親が明かす“子育ての方針”「配信やゲームで得られる失敗経験が重要」稼いだお金は「個人会社で運営」
NEWSポストセブン
約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン