昨年死去した三代目・桂春団治の一周忌追善落語会が2月26日に開催された。そこで、来春に四代目・春団治を継ぐこととなった桂春之輔(68)へ、笑福亭鶴瓶(65)がこんな言葉を投げかけた。
「僕は(襲名に)反対や。あんたが名乗る前に俺が『笑福亭春団治』を名乗るわ」
鶴瓶流の激励に、会場は笑いに包まれた。もちろん「春団治襲名」は冗談だが、上方落語界では「別の大名跡を手にするのでは」(関西の落語関係者)と噂されている。
「春団治と並び“上方四天王”と言われる『笑福亭松鶴』の名跡です。もう20年以上の長い間、空席となっています」(同前)
上方四天王とは、戦後、関西の落語界の復興に貢献した「春団治」、「松鶴」、「桂米朝」、「桂文枝」のこと。鶴瓶はそのひとり、六代目・松鶴の八番目の弟子である。
「六代目・松鶴といえば古典落語の大名人であり、上方落語界の巨人です。お酒好きの庶民が活躍する『らくだ』などは絶品でした」(上方文化評論家・福井栄一氏)