ピースの又吉直樹が原作の芥川賞受賞作『火花』のドラマが、NHKで放送され話題を集めている。注目されているのは、ドラマ内で演じられる漫才シーンだ。出演する林遣都らが猛特訓して臨んだそうで、そのボケとツッコミ、“間”の取り方は「プロ級」「かなりのレベル」と絶賛する声が出ている。コラムニストのペリー荻野さんが解説する。
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「すごいらしいですよ」
「すごいです!」
「やっぱり、すごすぎ!!」
又吉直樹の小説『火花』が世に出始めたとき、文芸誌編集者から出る言葉は、こんな感じに変化していった。「すごいらしい」という時点で単行本になったら、どれだけ売れるかが話題になるところは、さすがプロの読みだ。そして芥川賞獲得。
この瞬間、私は芥川賞・直木賞発表会場にいたが、いつもは新聞・テレビなどの取材陣が集まっても、全体に穏やかな雰囲気なのに、『火花』が候補だったときだけは、ニュースだけでなく、ワイドショー関係のカメラもずらりと並び、会場は人とケーブルで足の踏み場もない状態。さらに会場に受賞者が到着すると、恒例の会見だけでは足りない!と夜10時過ぎてから、二度目のコメント会見が行われるという興奮ぶりだった。
NHK総合で放送が始まった『火花』は、芥川賞の熱気そのままに、240万部という大ベストセラーとなった原作のドラマ化。観ていて緊張するのは、漫才のシーンだ。