ビジネス

堀江×落合対談 「機械と人間が競合すると恐れるのは古い」

「人間は遊んでいればいい」と堀江貴文氏

 AI(人工知能)やVR(バーチャルリアリティ)技術、ロボット技術などが急激に進化し、機械の知能が人間を超える「シンギュラリティ」が近づいていると言われる。そうした中で、人間の仕事は、生活は、どう変わっていくのか。ホリエモンこと堀江貴文氏と、メディアアーティストで筑波大学助教の落合陽一氏が「驚くべき近未来」を語り合った。

 * * *
落合:少し前に、グーグル翻訳アプリの新機能である「リアルタイムカメラ翻訳」が話題になりました。スマホのカメラを向けると、その場で文字を読み取って翻訳する。あの技術はもともと「ワードレンズ」というもので、2009年に開発されたから、そんなに新しいものではありません。

 ただ、機械翻訳の能力は、ここ数年で急激に進化して、どんどん実用的になってきている。実際、僕の大学の研究室でも、論文を英語にするのは機械翻訳して少し手直しするだけで済むようになり、翻訳業者を使わなくなりました。翻訳代はほとんどかからなくなっていますね。

堀江:「翻訳」は、膨大なデータを統計処理して“正解”を学習するディープラーニング(※注1)の超得意分野だよね。音声認識や翻訳は、めちゃくちゃ精度が上がった。昔のカーナビの音声認識なんかはクソだったけど。

【※注1/「深層学習」と訳される。人間の脳が学習するように、多層構造の「ニューラルネットワーク」という方法を用いた機械学習の一種】

落合:音声と映像はとくに進歩しました。85%から90%ぐらいの精度がある。

堀江:コンビニの客を画像分析して「29歳、男性」とか驚くべき精度で当てられるからね。ひとりの人が一生に会う人間の何万倍ものデータがあるから、「これが正解っぽい」とわかる。

 蓄積されたデータを瞬時に計算できるようになったことで、パラダイムシフトが起きた。AI(人工知能)のコア技術は汎用性があるから、それが何に使えるかをみんな探している状態だよね。

 たとえば倉庫のピッキング(商品が並べられた倉庫の棚から購入された商品を選んで取り出すこと)は機械には難しくて、人間がやったほうが安い。でも最近はアマゾンがベンチャー企業に倉庫のオペレーションを改善するAIの開発を競わせているよね。

 現状では人員が足りなくて、アマゾンが自治体に泣きついて人を集めたりしているけど、数年後には機械でやれるようになっちゃって、「おまえらもう要らねぇよ」と放り出すかもしれない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン