ライフ

安楽死望む筒井康隆氏、日本尊厳死協会の長尾和宏氏と対談

「安楽死」を希望する作家・筒井康隆氏

 日本で「死に方」の議論が過熱している。これまでタブー視されてきた「安楽死」の“解禁論”も叫ばれ始めた。作家・筒井康隆氏(82)が、月刊誌『SAPIO』(小学館刊)に寄稿した論考「日本でも早く安楽死法を通してもらうしかない」(2017年2月号)も大きな反響を呼んだ。この論考に注目した、日本尊厳死協会副理事長の長尾和宏医師(58)の要望で、終末期医療と尊厳死、安楽死を巡る二人の対談が実現した。

──筒井先生は、『SAPIO』の論考で〈苦痛を和らげる薬を貰いながら死にたい〉と主張されました。

長尾:私は町医者ですが、日本尊厳死協会の副理事長をしていまして、先生のような作家の方に終末期医療についての議論を喚起する論考を書いていただき、非常にありがたく思います。

筒井:いや、我々の業界では、安楽死というテーマはタブーでも何でもない。むしろ、日本では認められないから、議論することが無意味だという風潮になっています。

長尾:『SAPIO』で安楽死したいと書いて、ご家族は何かおっしゃりますか。

筒井:別に何も。私はそれこそ、増えすぎた老人を減らすために、国が老人たちに殺し合いをさせる『銀齢の果て』という小説を書いている人間ですから、多少のことでは家族は驚かないです(笑い)。

長尾:日本では本人が尊厳死を希望しても、家族がさせてくれない。家族が最大の障壁になるんです。

筒井:確かに。うちの家族も、安楽死や尊厳死はさせてくれないと思う。「まだ元気なのに何をいっているの?」と反応するでしょう。

長尾:私は在宅医療をやっているのですが、本人への対応は6割くらいで、家族への対応が仕事の4割です。長男と長女で意見が違ったり、叔父さんが口を挟んだり、家族の意見を調整して、家族のために延命治療をやらされることもあります。

関連記事

トピックス

都内にある広末涼子容疑者の自宅に、静岡県警の家宅捜査が入った
《ガサ入れでミカン箱大の押収品》広末涼子の同乗マネが重傷で捜索令状は「危険運転致傷」容疑…「懲役12年以下」の重い罰則も 広末は事故前に“多くの処方薬を服用”と発信
NEWSポストセブン
『Mr.サンデー』(フジテレビ系)で発言した内容が炎上している元フジテレビアナウンサーでジャーナリストの長野智子氏(事務所HPより)
《「嫌だったら行かない」で炎上》元フジテレビ長野智子氏、一部からは擁護の声も バラエティアナとして活躍後は報道キャスターに転身「女・久米宏」「現場主義で熱心な取材ぶり」との評価
NEWSポストセブン
小笠原諸島の硫黄島をご訪問された天皇皇后両陛下(2025年4月。写真/JMPA)
《31年前との“リンク”》皇后雅子さまが硫黄島をご訪問 お召しの「ネイビー×白」のバイカラーセットアップは美智子さまとよく似た装い 
NEWSポストセブン
元SMAPの中居正広氏(52)に続いて、「とんねるず」石橋貴明(63)もテレビから消えてしまうのか──
《石橋貴明に“下半身露出”報道》中居正広トラブルに顔を隠して「いやあ…ダメダメ…」フジ第三者委が「重大な類似事案」と位置付けた理由
NEWSポストセブン
異例のツーショット写真が話題の大谷翔平(写真/Getty Images)
大谷翔平、“異例のツーショット写真”が話題 投稿したのは山火事で自宅が全焼したサッカー界注目の14才少女、女性アスリートとして真美子夫人と重なる姿
女性セブン
中日ドラゴンズのレジェンド・宇野勝氏(右)と富坂聰氏
【特別対談】「もしも“ウーやん”が中日ドラゴンズの監督だったら…」ドラファンならば一度は頭をかすめる考えを、本人・宇野勝にぶつけてみた
NEWSポストセブン
フジテレビの第三者委員会からヒアリングの打診があった石橋貴明
《中居氏とも密接関係》「“下半身露出”は石橋貴明」報道でフジ以外にも広がる波紋 正月のテレ朝『スポーツ王』放送は早くもピンチか
NEWSポストセブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された(写真は2019年)
《体調不良で「薬コンプリート!」投稿》広末涼子の不審な動きに「服用中のクスリが影響した可能性は…」専門家が解説
NEWSポストセブン
現役時代とは大違いの状況に(左から元鶴竜、元白鵬/時事通信フォト)
元鶴竜、“先達の親方衆の扱いが丁寧”と協会内の評価が急上昇、一方の元白鵬は部屋閉鎖…モンゴル出身横綱、引退後の逆転劇
週刊ポスト
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された
〈不倫騒動後の復帰主演映画の撮影中だった〉広末涼子が事故直前に撮影現場で浴びせていた「罵声」 関係者が証言
NEWSポストセブン
男性キャディの不倫相手のひとりとして報じられた川崎春花(時事通信フォト)
“トリプルボギー不倫”川崎春花がついに「5週連続欠場」ツアーの広報担当「ブライトナー業務」の去就にも注目集まる「就任インタビュー撮影には不参加」
NEWSポストセブン
広末涼子容疑者(時事通信フォト)と事故現場
広末涼子、「勾留が長引く」可能性 取り調べ中に興奮状態で「自傷ほのめかす発言があった」との情報も 捜査関係者は「釈放でリスクも」と懸念
NEWSポストセブン