夫婦関係のもつれは、いつの時代もどこから始まるかわからない。だが、最近では「えっ、こんなことで!?」と耳を疑いたくなるような理由で妻から三行半を突きつけられる夫が増えているという。
現在放映中のドラマ『カルテット』(TBS系)では、奇しくもその現象を彷彿させるようなシーンがあった。「からあげにレモンをかけるかどうか」が離婚へとつながるきっかけの1つになっていたのだ。妻役の松たか子(39)がからあげに勝手にレモンをかけたことで、宮藤官九郎(46)演じる夫との間に溝が生まれ、最終的に離婚に至ってしまった。
果たして、突然離婚を告げられた夫たちの哀しい体験記から見えてくるものは──。
20年以上連れ添った夫婦の離婚、いわゆる「熟年離婚」は、2万6000件を超えている(2015年の厚労省『人口動態調査』より)。これは25年前と比較して7割増だという。
離婚を切り出すのは、多くの場合「女性」のほうだ。日本の夫婦・家族問題評論家の池内ひろ美氏がいう。
「法務省の統計によれば、離婚の75%が妻からの申し出による“女性主導”のもので、私に相談に来られる方も、9割以上が女性です。一般論として、夫の定年後に自宅で夫婦一緒に過ごす時間が長くなると、妻は日常生活の様々な局面でイライラを溜め込むようになる」
もちろん、妻が離婚という大きな決断に至るには、それまでに積もりに積もった様々な不満があるのだろう。しかし、最後に背中を押す「きっかけ」となるのは驚くほど理不尽な理由であることが少なくないのだ。
今回、本誌は多くの「バツイチ中高年男性」に取材。突如突きつけられた耳を疑う「離婚理由」(家事・日常生活編)を集めた。
日常の何気ないクセが妻の負担を増やして怒られたり、とにかく家の中にはトラブルの種が詰まっている。