今年もおぞましい反日映画が公開される。今回の舞台は2015年にユネスコ世界文化遺産に指定された長崎県の「軍艦島」だ。戦時下の朝鮮人“強制労働”と脱出劇を描くこの作品。朝鮮人炭坑夫が強制連行されたかのように描かれているが、「国民徴用令」にもとづく「白紙」呼ばれる令状によって召集されていた。しかも徴用令が朝鮮人に適用されたのは1944年9月であり、それまでは朝鮮人が自発的に日本に渡った出稼ぎだった。この反日映画『軍艦島』に当時を知る人たちが反論した。
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映画では、朝鮮人労働者が“奴隷”の如く扱われ、痩せ細った少年が危険に晒されながら炭坑に潜るシーンもある。これに反論するのが、かつて軍艦島に住み、現在NPO法人「軍艦島を世界遺産にする会」理事長を務める坂本道徳氏だ。
「私の父親は17歳から炭坑に潜っていましたが、それより幼い少年が炭坑に入った話など聞いたことがない。明治から昭和にかけての炭鉱関連の新聞記事を集めた書籍『炭坑史』には、言葉の分からない朝鮮人のために軍艦島の島民が懇親会を催したことも記録されています。
また当時、島にいた医師の回想録には、終戦直後に朝鮮人炭坑夫の子供が別れを告げに来たことが綴られている。映画の内容が事実なら、終戦と同時に暴動が起きても不思議ではありませんが、帰国する朝鮮人が涙ながらに島民に別れを告げに来たという話も少なくないのです」