長崎県のハウステンボスにてロボットが接客して話題の「変なホテル」。その2号施設「変なホテル舞浜 東京ベイ」が3月15日、千葉県浦安市に開業した。最寄り駅がJR舞浜駅ということもあり、運営するエイチ・アイ・エスが期待するのは、「東京ディズニーリゾート(TDR)」を訪れる宿泊客の取り込みだ。
TDR周辺には、ディズニーの公式・公認ホテルを含めて多くのホテルが点在しているが、利用目的に応じた“カテゴリー戦争”はますます激化している。ホテル評論家の瀧澤信秋氏がレポートする。
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「変なホテル舞浜 東京ベイ」が開業した。変なホテルといえば、フロントでのチェックイン作業や手荷物を運ぶ業務などでロボットが活躍するホテルとして、ハウステンボスではすっかり名所となった。
2号施設の舞浜でも、客室に設置された卵型ロボットに話しかけると空調や照明操作を行なうなど、ユニークで便利な仕掛けが数多く用意され、早くも注目の的となっている。このロボットが働くホテルのターゲットはもちろんTDRのゲストだ。
TDRと周辺ホテルのイメージは、シーズンによる変動は見られるが、1泊3~4万、中には6万円もするようなデラックスなフルサービスタイプだが、変なホテルのように1万円台からの低価格で利用できる宿泊特化型の開業も相次いでいる。
2016年6月に開業した「東京ディズニーセレブレーションホテル」も宿泊特化型。エリア外の立地とはいえ、低料金でディズニーの世界が満喫できるホテルステイと好評を博す。
もともとTDRの公式・公認ホテルには4つのカテゴリーがある。詳述は避けるがカテゴリーに応じて受けられる宿泊者特典が異なる。
最高ランクと言われるのがTDR直営オフィシャルホテルの“ディズニーホテル”だ。「ディズニーアンバサダーホテル」「東京ディズニーシー・ホテルミラコスタ」「東京ディズニーランドホテル」と名高いデラックスタイプの3ホテル。そこに、低廉な料金の東京ディズニーセレブレーションホテル(バリュータイプ)も新たに加わった。
ディズニーホテルに次ぐカテゴリーが“オフィシャルホテル”。直営ではないがTDRのエリア内に立地するホテルで、外資系・内資系さまざまなホテルが揃う。
オフィシャルに次ぐのが“パートナーホテル”でTDRエリア外となるが浦安市内に立地するホテルのことを指す。その他、“グッドネイバーホテル”は、主に東京23区内も含めたTDR近隣地区に立地するホテル。いずれも概してデラックスなホテルであるが、この4カテゴリーは立地によるカテゴライズともいえる。
新規開業のホテルにおいて宿泊特化型が目立つ中、既存のデラックスホテルでも増室が進められている。オフィシャルホテルの「シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル」では、2016年12月に“PARK WING”棟を開業、TDRエリアでは初の1000室を超える規模となった。
浦安市全体でみても2020年に向けて多くのホテル開業が予定されているが、デラックスというよりはカジュアルなサービスをイメージした宿泊主体型ホテルが目立つ。
2019年に新浦安地区で開業予定の「ハイアットプレイス東京ベイ」はハイアット日本初進出のブランド。ハイアットといえばラグジュアリーなフルサービスのイメージであるが、ハイアットプレイスはゲストが受けたいサービスを選ぶ“セレクトサービス”のコンセプトを掲げている。
では、肝心の客室稼働率はどうだろう。ホテル業界では、TDRとその周辺ホテル群は堅固な稼働率を誇ることで知られている。利用者からすれば予約が取れないホテルということだ。それは課題とされているキャンセル料の授受をみても分かる。