清水富美加(22才)の出家騒動や堀北真希(28才)の引退。また、井上真央(30才)、水川あさみ(33才)ら人気女優らが相次いで古巣の所属事務所から独立した件が、昨今の芸能ニュースを賑わせている。
引退した人も、独立した人も、出家した人も、その理由はそれぞれ異なるが、芸能人の働き方に大きな注目が集まっている。一般企業で働く人と同様に、「パワハラ」「ブラック雇用」といった捉えられ方もされている。前者はマネージャーを長時間にわたって土下座させたという細川茂樹の例や、月給が5万円の時期もあったという清水の例などにも見られる。
こうした芸能人の働き方を守るものとして、“芸能人組合”をつくろうという動きも高まっている。
その“芸能人組合”については、過去に小栗旬(34才)が『クイック・ジャパン』(2014年8月号)の中で俳優の労働条件を改善するべく労働組合づくりの構想があるものの、俳優仲間に呼びかけてもなかなかのってくる人は少ないということを明かしている。
また、ダウンタウンの松本人志(53才)が『ワイドナショー』(フジテレビ系)のなかで、自身が所属する『吉本興業』の現状に触れながら、なぜ自分で待遇の交渉などをしないのかと投げかけた。
相方の浜田雅功(53才)は、まったく売れてない時代だったにもかかわらず、吉本のエライ人におんぶして「ギャラ上げてくれ」と懇願していたし、松本も「松竹いってから後悔しても遅いぞ」とすごんだりしていたという。
こうした日本の状況に対して、アメリカではどうなのか。『ニューヨークタイムズ』誌や、北欧のメディアから「どうして日本の芸能界って、こういった契約なのか」との取材が多数あるという。「レイ法律事務所」の佐藤大和弁護士はこう語る。
「アメリカには俳優組合があり、俳優の労働環境が徹底して守られているからです」
最も有名な組合は1933年にアメリカで設立された映画俳優組合『SAG(現SAG-AFTRA)』は、約16万人の組合員を抱えている。海外のエンタメにくわしいジャーナリストの佐藤友紀さんが説明する。
「歴史的に見てアメリカの映画業界はほとんどヨーロッパからの移民で成り立っていました。俳優にしても女優にしても例えばイングリッド・バーグマンはスウェーデンだし、オードリー・ヘプバーンはベルギーとオランダの人で実際にはハリウッドに住んでなかった。現代でも『ラ・ラ・ランド』で話題のライアン・ゴズリングはカナダの人です。
そういう人たちが自分たちの地位、権利を確立するために生まれたのがSAGでした。これに入らないと、まずアメリカの映画業界で仕事をすることができないので、イコール労働許可証みたいなものなんです」