ライフ

福澤諭吉は酒が大好き 『学問のすゝめ』より呑兵衛のすゝめ

福澤諭吉は幼少の頃から酒好き 東京大学史料編纂所所蔵

 一万円札の肖像で知られる福澤諭吉は幕末から明治にかけて活躍した啓蒙思想家。蘭学者・緒方洪庵の「適塾」で学び、3回の欧米視察を果たした。慶応4年(1868年)、「慶應義塾」を創設。『学問のすゝめ』が有名だが、一体どんな人物だったのか。明治大学教授の齋藤隆氏はこう指摘する。

 * * *
 近代日本最大の啓蒙思想家・福澤諭吉は一万円札の肖像にも使用され、日本人なら誰でも知っている「偉人」です。多くの人にとって「慶應義塾を創設した」「『学問のすゝめ』を書いた」というイメージが強いはずですが、その人となりまで知る人は意外と少ないと思います。

 江戸末期に豊前中津藩の武家に生まれた福澤は、その自伝(『福翁自伝』)によると、幼少の頃から神仏などを一切信じず、神社の御神体を暴いて平気でいるなど、気質としてそもそも開明的な人物でした。

 同書では、「生まれつき酒を嗜むのが一大欠点」と告白しています。「物心ついたときから自然に好き」だったと。

 実際、幼少の頃から酒を飲んでいたようで、月代を剃るのを嫌がる福澤を母親が「剃らせたら酒を飲ませるから」と言い含め、本人は酒が飲みたいばかりに痛いのを我慢した、と書いています。

 そんな酒にまつわる悪癖の数々を、「成長した後には自らその悪いことを知っても、悪い習慣がすでに性質になってしまって、禁酒できなかったということもあえて包み隠さず明白に自首します」とユーモアたっぷりにさらけ出しています。

関連記事

トピックス

氷川きよしが紅白に出場するのは24回目(産経新聞社)
「胸中の先生と常に一緒なのです」氷川きよしが初めて告白した“幼少期のいじめ体験”と“池田大作氏一周忌への思い”
女性セブン
公益通報されていた世耕弘成・前党参院幹事長(時事通信フォト)
【スクープ】世耕弘成氏、自らが理事長を務める近畿大学で公益通報されていた 教職員組合が「大学を自身の政治活動に利用、私物化している」と告発
週刊ポスト
阪神西宮駅前の演説もすさまじい人だかりだった(11月4日)
「立花さんのYouTubeでテレビのウソがわかった」「メディアは一切信用しない」兵庫県知事選、斎藤元彦氏の応援団に“1か月密着取材” 見えてきた勝利の背景
週刊ポスト
多くのドラマや映画で活躍する俳優の菅田将暉
菅田将暉の七光りやコネではない!「けんと」「新樹」弟2人が快進撃を見せる必然
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
NEWSポストセブン