国内

速水もこみちオリーブ油騒動、マジメな人が笑いの対象に

オリーブ油騒動でわかったことは?(速水もこみち)

 ネットの言論には、独特の論調がある。思いもよらないことが笑いの種となり、盛り上がることも。たとえば、BPO(放送倫理・番組向上機構)のHPで紹介される事例集は、ネット民にとってネタの宝庫となっている。人権侵害などの深刻な問題を論じる機構が公表する情報が、なぜネタ扱いされるのか。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が解説する。

 * * *
 俳優・速水もこみちといえば、朝の情報番組『ZIP!』(日本テレビ系)内のコーナー「MOCO’Sキッチン」でオリーブ油を使いすぎることで知られている。ネットではこれはネタと理解されており、速水の半身がオリーブ油の中に沈んでいるコラージュ写真まで存在する。

 しかし、この伝統芸に対しBPO(放送倫理・番組向上機構)には「使い過ぎ」「家計に配慮すべき」といった意見が寄せられ、これをBPOは「視聴者のご意見」としてHPで紹介した。これが数々のメディアで報じられたが、ネット雑談界の歴史を踏まえると、2000年代後半以降、BPOのこの「視聴者のご意見」は重要な“ソース”となっていた。

 なにせ、あまりにも生真面目な人々が静かな怒りをもって正義の組織・BPOに訴えかけている様が喜劇に感じられ、2ちゃんねる等で笑いの対象となってしまう。

「高齢の父が『プロ野球中継が少ない』と嘆いている」や「地震の現場の報道で、住民はヘルメットをかぶっていないのに、報道陣はかぶっているのはおかしい」などの投稿が厳選され、紹介されているのである。これに対しては、「そこ問題視するところかよwww」などと笑いの対象になる。

 BPOでは「※無断転載はお断りします。公表している視聴者の意見について、転載を希望する場合には、事前にBPOにご連絡ください。」と、安易に使わぬよう釘を刺しているが、実際問題としてBPOの「視聴者のご意見」はネット民にとって娯楽を提供するサイトになっている。

 また、同様にネット民の重要なソースとなっているのが各地の警察署が発表する「声かけ事案」である。これは警察が怪しい人間の情報を発し、住民へ注意を呼び掛けるものだが、これも状況が分からず文字面だけ見ると、BPOと同様に笑い、ないしは「ここまで不自由な社会になったのか……」と皆で呆れるトピック化している。

関連キーワード

関連記事

トピックス

異例のツーショット写真が話題の大谷翔平(写真/Getty Images)
大谷翔平、“異例のツーショット写真”が話題 投稿したのは山火事で自宅が全焼したサッカー界注目の14才少女、女性アスリートとして真美子夫人と重なる姿
女性セブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された(写真は2019年)
《体調不良で「薬コンプリート!」投稿》広末涼子の不審な動きに「服用中のクスリが影響した可能性は…」専門家が解説
NEWSポストセブン
いい意味での“普通さ”が魅力の今田美桜 (C)NHK 連続テレビ小説『あんぱん』(NHK総合) 毎週月~土曜 午前8時~8時15分ほかにて放送中
朝ドラ『あんぱん』ヒロイン役の今田美桜、母校の校長が明かした「オーラなき中学時代」 同郷の橋本環奈、浜崎あゆみ、酒井法子と異なる“普通さ”
週刊ポスト
現役時代とは大違いの状況に(左から元鶴竜、元白鵬/時事通信フォト)
元鶴竜、“先達の親方衆の扱いが丁寧”と協会内の評価が急上昇、一方の元白鵬は部屋閉鎖…モンゴル出身横綱、引退後の逆転劇
週刊ポスト
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された
〈不倫騒動後の復帰主演映画の撮影中だった〉広末涼子が事故直前に撮影現場で浴びせていた「罵声」 関係者が証言
NEWSポストセブン
男性キャディの不倫相手のひとりとして報じられた川崎春花(時事通信フォト)
“トリプルボギー不倫”川崎春花がついに「5週連続欠場」ツアーの広報担当「ブライトナー業務」の去就にも注目集まる「就任インタビュー撮影には不参加」
NEWSポストセブン
広末涼子容疑者(時事通信フォト)と事故現場
広末涼子、「勾留が長引く」可能性 取り調べ中に興奮状態で「自傷ほのめかす発言があった」との情報も 捜査関係者は「釈放でリスクも」と懸念
NEWSポストセブン
筑波大の入学式に臨まれる悠仁さま(時事通信フォト)
【筑波大入学の悠仁さま】通学ルートの高速道路下に「八潮市道路陥没」下水道管が通っていた 専門家の見解は
NEWSポストセブン
広末涼子容疑者(時事通信フォト)と事故現場
《事故前にも奇行》広末涼子容疑者、同乗した“自称マネージャー”が運転しなかった謎…奈良からおよそ約450キロの道のり「撮影の帰り道だった可能性」
NEWSポストセブン
長浜簡易裁判所。書記官はなぜ遺体を遺棄したのか
【冷凍女性死体遺棄】「怖い雰囲気で近寄りがたくて…」容疑者3人の“薄気味悪い共通点”と“生活感が残った民家”「奥さんはずっと見ていない気がする」【滋賀・大津市】
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《中山美穂さん死後4カ月》辻仁成が元妻の誕生日に投稿していた「38文字」の想い…最後の“ワイルド恋人”が今も背負う「彼女の名前」
NEWSポストセブン
山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン