2018年ロシアW杯出場を目指し、アジア最終予選を戦うハリルジャパン。キャプテン・長谷部誠(33、フランクフルト)の負傷離脱もあり今後も苦しい戦いが続きそうだ。チームの最大の問題となっているのが“エース”の処遇である。
「クラブで出ていない人間が代表に選ばれるのはどうかという意見は理解できる。皆さん(マスコミ)に好きにものをいわせているというのは、俺の不始末だと思う」
3月23日に行なわれたW杯最終予選・UAE戦を前に、本田圭佑(30)は自身への批判についてこう語った。
今シーズン(2016~2017年)、所属するイタリアのACミランで本田は完全に戦力外として扱われている。出場はわずか5試合計96分。特に2017年に入ってからはリーグ戦では1度も出場機会がない。1月に移籍は確実と見られていたが、英国・プレミアリーグのチームからオファーがあったにもかかわらず、本田は拒否してミラン残留を選んだ。
「ハリルホジッチ監督は『所属クラブで出場機会のない選手は代表に呼ばない』と言い続けてきたのに、『今の代表に本田は必要だ』とW杯最終予選に招集した。そのためファンやマスコミから批判が高まった」(スポーツ紙記者)
本田に対する“特別扱い”に、とりわけ強い不満を示しているのがJリーグ関係者だ。
「試合に出ていなくても、“欧州のビッグクラブに所属している”というだけで代表に入れるのは、完全なJリーグ軽視ですよ。スペインのセビージャで戦力外扱いされていた清武弘嗣は、ハリルに『出場できるチームに移籍すべき』と求められ、出場機会を求めてJリーグのセレッソ大阪に復帰した。それを無視した本田を重用するのは、ダブルスタンダードというほかない」
今回、優遇された欧州組は本田だけではない。同様に所属チームで出場機会に恵まれていない長友佑都(30、インテル)、川島永嗣(34、メツ)も召集された。ハリルはなぜ彼らに頼るのか。