〈小池新党 呆れるほどの圧勝!!〉──本誌週刊ポストは前号ではこんなタイトルで、7月2日に行なわれる東京都議選での自民党や民進党など既成政党の惨敗と、その後に予想される日本政治の大きな変化をシミュレーションした。実際、小池百合子・東京都知事が率いる新党の勢いは増している。
3月13日には、公明党と小池新党「都民ファーストの会」が都議選で選挙協力することを発表した。しかも、昨年末に都議会自民党との「連立解消」を宣言した公明党都議団はわざわざ「自民党とは協力しない」と念を押したのである。
これに衝撃を受けたのが自民党本部だ。小渕内閣で自公連立を組んで以来20年近く、公明党の支持者は国政選挙でも都議選でも公明が候補を擁立しない選挙区では「自民党」に投票してきた。それが「反自民候補」に投票することを決めた。首都・東京で70万票を持つ公明票の離反は自民党にとって蟻の一穴どころか“象の一穴”となって、国政の自公連立に影響しかねない。
自民党の二階俊博・幹事長は記者会見(3月17日)で、「なりふりかまわずやる」と危機感を隠さなかった。見逃せないのはその後の発言だった。
「(公明党に)応援してもらいたいが、このごろは珍しい言葉が出てくるでしょ。『都民ファースト』なんて今まで聞いたことがない。そうした時は、我々に覚悟がないと駄目だ。涙を流しながら選挙などできない」
大ベテラン政治家の二階氏から見ると、ぽっと出の「都民ファーストの会」は海のものとも山のものともわからない政治勢力だろう。そんな正体不明な勢力が自民党を大苦戦に追い込もうとしていることに戸惑っているのではないか。